沖縄ファミリーマート創立30周年を記念したCMソングとしてORANGE RANGEが新曲“チラチラリズム”を書き下ろしたと先日発表されました。新曲は沖縄の夏空のようなヌケ感と疾走感のあるアッパーチューン。30周年のファミマと30代のレンジのタッグから生まれた「“大人”だからこそ強気で攻める」想いが曲の中にぎゅっと詰まっています。
そこで今回、NAOTOとHIROKIにスペシャルインタビューを敢行! 曲作り秘話から15周年アニバーサリーツアーを終えたバンドの現在とこれから、そして沖縄への想い、ウチナーンチュならではのファミマこぼれ話まで、たっぷりじっくり語ってもらいました。
※最後にメンバー全員からのメッセージもありますよ!
―まず、今回、沖縄ファミリーマート30周年を記念したCM用の新曲の依頼を受けた時の率直な気持ちを教えてください。
- NAOTO
- むちゃくちゃ嬉しかったです!
- HIROKI
- やっぱり歴代の、沖縄ならではのファミマのCMを見てきているんで、僕らにとってひとつの目標でもあったんです。実は、これが決まる前に週刊ファミマガで取材してもらったんですけど、そこで「レンジでCMやりたいな~」って、猛アプローチかけてましたから(笑)。
―アプローチが実って、ついに念願が叶った?
- HIROKI
- そう。念願だったし、普段こういう仕事の企画が決まったことについて家族に話すことはないんですけど、今回は「ファミマのCM曲やるよ!」って言っちゃいました(笑)。沖縄の人ならみんなファミマのCMは好きじゃないですかね!?
- NAOTO
- 家のすぐ近所にファミマがあるんですけど、「今から俺たちの曲CMになるから」って内心思って、ちょっと大きな顔で行けますね(笑)。
―新しい曲のタイトルは『チラチラリズム』。レンジらしい、一度聞いたら忘れられない響きのタイトルですね。
- HIROKI
- タイトルは歌詞のフレーズから、リーダー(=NAOTO)がチョイスしました。
- NAOTO
- HIROKIが書いてきた歌詞の中で、この言葉がすごく引っかかったんです。今回の曲は「ORANGE RANGEらしさ」みたいなものを求められてると感じたので、言葉の響きで選びました。
―今回の曲作りでは自分たち自身でも「ORANGE RANGEらしさ」に敢えてこだわった部分があったんですか?
- NAOTO
- そうですね。沖縄らしさプラス自分たちのイメージが求められているのかなと。だから、敢えて自分たちらしさっていうのを再確認する、いいきっかけになりました。こういうタイプの曲は自分たちの中でも数年やってなかったんで、今回の依頼がなかったらできてなかった曲かもしれないです。また、もう一度沖縄っぽさも意識して。もう僕らも33歳になりますけど……。
- HIROKI
- ん? もう34じゃない? なんでサバ読む?
- NAOTO
- はははは、いや、34になりますけど、このファミマさんの企画に乗っかって若い気持ちに戻ろうかなと(笑)。
- HIROKI
- 確かに、僕ら今30代で、10代、20代よりは落ち着いてきている世代だったりしますけど、でも、何かチャレンジする気持ちとか、安易な道を選ばずに、敢えて刺激を求めて何かに挑戦する姿勢を出せたらいいなあ、という想いで詞を書きました。
- NAOTO
- 曲作りの前に沖縄ファミマの方とイメージについて話し合いもしたんですけど、その中で「強気で」とか「攻める」っていうワードが出てきたんで、「あ、それでいいんだ!」って。そういう姿勢に共感したので、もうそれに乗っかるしかないなって。
―ちょうど30周年を迎えた沖縄ファミリーマートの攻める姿勢やリスタート感と、最近15周年のアニバーサリーツアーを終えたORANGE RANGEの現在がシンクロしたという感じですか?
- HIROKI
- そうですね。僕らもやっぱり何より自分たち自身が楽しめるように、新しいことへの挑戦っていうのはずっと続けてきている。
- NAOTO
- 15周年で、やっと今まで自分たちがやってきたことを振り返れたんですよ。それで、「すごい面白いことやってきたな」って実感できたんで。「ああ、この先もこのままやればいいんだ」っていう自信はつきましたね。そういうタイミングで曲を依頼してもらって、いい機会になりましたね。
- HIROKI
- そうだね。改めて振り返ってみると、「変なことしてるなあ」とか「マニアックだな」って自分たちでも思っていた実験的な曲が、今演奏したらめちゃくちゃ楽しいしカッコいいし、ライブで聴いてる人もすごく楽しんでくれる。だから、やっぱり枠とか振れ幅っていうのは自分たちで広げていかないとダメなんだなあっていうのは感じましたね。
- NAOTO
- 何年か経ってやっとわかることもたくさんあるよね。
- HIROKI
- ひとつひとつがね、やっぱり、今につながってる。
―そうやって積み重ねてきたことを実感する中で、自分たちの中で何か変化した部分はありますか?
- NAOTO
- 意識的に人との関わり方に強気にいくようになってるかもしれない。僕はもともと人見知りタイプではないんですけど、さらに初対面の人でもいろいろ話してみたり、最初から一歩踏み込んでいくようにしてるかもしれないです。せっかく出会ったんだから、もったいないなあという気持ちで。
- HIROKI
- 僕も、そう言われてみれば、今回の15周年ツアーはいろいろなミュージシャンや各地の吹奏楽部や団体のみなさんたちとのコラボもあって、やっぱり生きていく中で出会える人って限られてるなあって……ジジくさい発想になってきてますね(笑)。ご縁は大事にしないとなあ!
- NAOTO
- はははは。まあ、ちょっとカッコよく言ってるけど図々しくなっただけ?
- HIROKI
- (笑)かもね。でも、バンド全体として出会いを楽しめる状況になってると思います。
―バンドの現状も、まさに今回の新曲のように前向きで「攻める」感じなんですね。
―ところで、改めて伺いますが「30歳」って大人だと思いますか?
- NAOTO
- 世間的には大人でしょうけど、自分たち自身30過ぎてみて「こんなもんか?」っていうのはあります。あんまり大人じゃないっていうか、意外とまだまだ子どもというか。男子特有かもしれないけど。
たぶん職業的に言っても俺らの周りに居る人はあんまりまともな大人じゃないかも(笑)
- HIROKI
- はははは。やっぱり、音楽に関わっていると特に感じるんですけど、子どもの遊び心を持った大人が周りにたくさんいるから。それこそ沖縄の先輩たちだとBEGINだったり、モンパチ(MONGOL800)だったり、そういう人たちの背中を見てるから、全然これでいいんだっていう安心感と、こういう純粋な気持ちを忘れたらダメだなっていう両方を勉強させてもらっている。だから「年取るの楽しい!」というのはありますね。僕らはデビューしたのが高校生ぐらいの頃なので、その時代を知ってる人にたまに会うと「もう30なのか!?」って驚かれたりしますけど(笑)。
- NAOTO
- でも、まだまだ俺たちひよっこだよね。
―今年のレンジはこれから2006年に発表した4枚目のオリジナルアルバム『ORANGE RANGE』を再現する全国11都市13公演のコンセプトツアー「RWD← SCREAM 017」、そして、10月には沖縄市で「テレビズナイト017 in 闘牛場 FINAL」という大きなイベントも控えてますね。
- HIROKI
- テレビズナイトは、ライブにいろいろなストリートカルチャーを織り交ぜてやっている僕らのライフワークのひとつみたいなイベントで、2002年からやっています。この2~3年は、沖縄市のミュージックタウン音市場を会場にしていたんですが、今年はちょっと飛び出して盛大にやろうと場所を探していたら、もともと闘牛場だった沖縄市野外ステージがアリーナに建て替えで、今年で解体になってしまうと聞いて、ぜひここでやりたいと。
- NAOTO
- 僕たちほんとに地元中の地元なんだよね、あの場所は。
- HIROKI
- そう。だから、ちっちゃい時から、あの場所でロックフェスがあると家に居て音が聞こえるぐらい近かったし、その場所に立つことを目指してた。オジィオバァも闘牛観に行ってたし、すごく思い入れがある場所です。
―楽しみです。東京でいう「武道館」みたいな、ある意味沖縄の音楽やイベントの聖地で行われる最後のライブということになるんですね。
(撮影の合間にはファンの方と記念撮影も)
- HIROKI
- 感覚は近いかも(笑)。ちっちゃい頃からの夢のステージだからね。
- NAOTO
- ロケーションもカッコいいしね。
- HIROKI
- だから、今年はこのファミリーマートのCMもそうですが、レンジの中で地元に、沖縄により深く関わる意識が強くなってる感じがありますね。
―ORANGE RANGEはデビュー当時からずっと「沖縄らしさ」を自然に持ち続けているバンドという印象がありますが、今年はさらに地元を意識しているんですね。たとえば、今の沖縄の若い世代はたくさんの情報に触れられる中で「沖縄らしさ」をあまり意識していないというか、本土に憧れる気持ちも強いような気がします。お二人の中では10代、20代の頃比べて、沖縄という故郷への思いに何か変化はありますか?
- NAOTO
- ウチらの場合、若い頃からいろんなところへ行ってるからこそ、沖縄の良さを再確認できる、恵まれた環境なんだと思います。若い子が本土に憧れるのは当たり前な気がして。でも、たとえば、沖縄のローカルCMとか本土と比べてもすごく面白いんですよ。いろんなモノ作りの姿勢がアーティスティックで、攻めてることが多い。そこに気づけるタイミングがあれば、若い人も「沖縄って他と違って面白いこといっぱいある」って感じると思う。
- HIROKI
- やっぱり世間の尺度は東京中心で回っていて、それがカッコいいっていう価値観もあるけど、実際、自分がいろんなところに行ってみて感じるのは、沖縄ってそういう尺度ではくくれない。もっとグローバルな規模で見ても、文化とか芸能とか、唯一無二のものがたくさんあって、それは単純にカッコいいと思うんです。それと、僕らは「沖縄らしくていいね」って言われる世代だけど、そうやって評価されるのは、上の世代のウチナーンチュがみんな苦労して、沖縄の良さを忘れないで頑張ってきたからなんですよね。僕らは親とか先輩の話を直に聞いて、そのことが実感できるギリギリの世代かもしれない。
―今回の曲でレンジのそういう沖縄への想いも、いろんな世代にメッセージとしてきっと伝わると思います。
- HIROKI
- その辺は、使命感を感じてやってるバンドじゃなくて、自分たちが楽しいと思うことをやってますから。
- NAOTO
- 自分たちの身の丈に合った、自分たちが本気で楽しめることを続けているバンドなので、そう感じてくれる人がいれば嬉しいですね。
NAOTO:やっぱり今の季節、ファミカフェのアイスコーヒーにはハマってますね~。沖縄のアイスコーヒーの中でも一番好きだし、東京とも味が違うって聞きましたよ。
HIROKI:僕はいつもシンプルな塩味のポップコーン食べてます。100円シリーズのお菓子系は充実してるんでハマってます。
“ファミマ×レンジ”タッグ結成秘話
今回、ORANGE RANGE書き下ろし新曲を依頼したキーパーソン、沖縄ファミリーマートの比嘉智さんにオファーの秘話と30周年を迎えたファミマのこれからをずばり聞きました。
―今回ORANGE RANGEに30周年の楽曲をオファーした理由は?
昨年、「週刊ファミマガ」でメンバーにインタビューしたのがきっかけです。彼ら、いい人なんですよ。本当はすごい人たちなのに、気さくで、やたら「ファミマ好きっす」をアピールしてくれて。その罠にはまっちゃいましたね(笑)。僕はこれまでも、出会いを大切にして企画を行ってきましたが、その後、じわりじわり彼らの魔法が効いてきて、今の沖縄ファミリーマートが目指す方向性と合致するなと思って、思い切って30周年記念の楽曲をお願いしました。昨年の11月頃だったと思います。
彼らも30代。おそらく30代は、若手でもなくベテランでもない。安定感もあるけど閉塞感やマンネリ感には逆らいたい気持ちも持っているはず。勝手な僕の妄想ですけどね。僕たちは、沖縄にこだわって本土とは違うコンビニを作ってきた自負はあります。しかし、経験値が邪魔して、若々しいパイオニアスピリットやチャレンジ精神が薄れてはいないか。そのような危機感から、社内で「もう一度、原点に返ろう。大人ぶるな。新しい沖縄ファミマを創ろう」ということになりました。そこで30代になっても若々しく、自分らしく、沖縄らしさを持ってファンを大切にしているレンジの存在が、僕の中でピタッとはまりました。
沖縄の人も、きっと彼らの元気な音楽を求めているような気がします。
―最初に書き下ろし新曲を聴いた時の感想は?
実は、曲を依頼した時に東京で直接メンバーとも打ち合わせをたんです。忙しいツアーの合間を縫って時間を作ってくれて。僕らの想いを真剣に聞いてくれましたよ。曲を聴いた時、打ち合わせの時に話したことが、ストレートにまたカッコよくレンジらしく表現されていて、年甲斐もなくワクワク踊りだしちゃいましたね。今の僕らのテーマにぴったりでした。
―30周年の沖縄ファミマにとって「大人になる」とはどういうことだと思いますか? 比嘉さんにとっての「大人像」は?
(チラチラリズムの歌詞についてメンバー間の熱いLINEでのやりとりを覗き見)
うーん・・・難しい質問ですね(苦笑)。
もしかしたら、“大人”になってはいけないのかも。好奇心を持ち続けて、挑戦を続けて、お客様を楽しませていきたいですね。
大人像は「お茶目」ですかね。「お茶目な獅子」。オレンジレンジの先輩の「BEGIN」や「モンパチ」も、カッコいいけど、どこかお茶目。大先輩の登川誠仁さんや嘉手苅林昌さんも“粋”で“お茶目”なんです。具志堅用高さんもね。どうせ大人になるなら、僕は、沖縄の先輩方を見習って、お茶目な規格外の大人になりたいですね。
―30周年を迎えて沖縄ファミリーマートの「今」と「これから」をどのように考えていますか?
社長からは、原点回帰の年! 変革の年。そして、地に足をつけることが大切だと言われています。つまり、いつまでも心は故郷沖縄と一緒に、今と未来を歩んでいくこと。沖縄には「万国津梁」という言葉があります。簡単に言えば、世界をつなぐ架け橋。家族や地域を大切にする心は万国共通。その心を表した僕たちの企業メッセージ「結 沖縄は、家族」の心を具現化する会社になって、みなさんと一緒に「万国津梁」の時代を作りたいですね。
日本の端っこではなく、アジアの中心、世界の架け橋という気概で、チャレンジしていきます。ファミチキやコーヒーも、沖縄での挑戦が全国に広まった事例。米の炊き方や麺の硬さ、おでんの汁等々、細かくて職人的な研究を深めるのはもちろん、イベントやWEB、CMなど様々な「楽しさと新鮮さ」を発信する沖縄流エンタメコンビニを目指します。
ファミマガをご覧の皆さんにORANGE RANGEさんからメッセージです!
CD INFO.
2017.06.13 ON SALE
沖縄ファミリーマート限定シングル 「チラチラリズム」
¥600
ORANGE RANGE 待望のニューシングルは、創立30 周年を記念して沖縄ファミリーマートのTV-CM 用に書き下ろしたタイアップ曲『チラチラリズム』。
突き抜けるような疾走感あふれるアッパーかつキャッチーなトラックに、何があっても刺激を求めて常に挑戦していくという彼らなりの”攻めの姿勢”をポジティブなメッセージとして詰め込んだ「レンジらしさ」プラス「沖縄らしさ」が”マシマシモリモリ”の1曲。
お弁当容器の特殊パッケージ仕様で沖縄ファミリーマート店内にて数量限定販売。封入のステッカーをめくるとCD 購入者限定で「テレビズナイト017 in 闘牛場 FINAL」のチケット先行予約が応募できるチラチラステッカー特典付き。
LIVE INFO.
RANGE AID+ presents RWD← SCREAM 017
7月16日(日) 広島・CLUB QUATTROを皮切りに、全国11ヶ所・13ライブ
<チケット料金>1F スタンディング/ 2F 指定 5,000 円(税込)
<チケット発売日>2017年5月20日(土)
テレビズナイト017 in 闘牛場 FINAL
10 月14 日(土) 沖縄・沖縄市野外ステージ(闘牛場)
開場/ 開演:12:00/13:00(予定)
問い合わせ: PM エージェンシー 098-898-1331
<料金>
お得な早割チケット 5,800 円
もっとお得な早割ペアチケット 2 枚11,000 円
学割チケット 4,000 円
沖縄県民限定学割チケット 3,300 円
ファミリーチケット 7,500 円( 全て税込)
<出演> ORANGE RANGE / and more!!
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インタビュー:長嶺 陽子 Yoko Nagamine
フリー編集者・ライター
佐賀県出身。東京で十数年間、音楽雑誌出版社に勤務した後、2005年に沖縄移住。以来、沖縄の音楽、文化、食や泡盛についての取材・執筆など、幅広く、ぼちぼちと活動を続けています。そしてそのかたわら、 夫・長嶺哲成とともに那覇市久茂地で泡盛居酒屋『カラカラとちぶぐゎ~』を営んで、泡盛の魅力を伝えるために日々奮闘中。どちらも本業です。
共著に『下地勇/心のうた』(ボーダーインク)、『沖縄のハ・テ・ナ!?』(双葉文庫)など
長嶺陽子の『うちなーじらぁ』日記
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写真:G-KEN
フォトグラファー
93年に沖縄へ移住。
沖縄の音楽シーン・ストリートカルチャー・ランドスケープなどを気持ちの赴くままに撮影し始める。
現在も沖縄を拠点に広告・CDジャケット・アーティスト写真・雑誌などで幅広く活動中。
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