子どもの頃に好きだった絵本を覚えていますか？私は毎晩寝る前に絵本を読む（読んでもらう）習慣があり、お気に入りだった絵本のことは今でもよく覚えています。もう随分昔のことなのに、繰り返し読んでもらった絵本の記憶というのは消えないのだなぁ……としみじみ。
「ぐるんぱのようちえん」「ぐりとぐら」「はじめてのおつかい」「もりのかくれんぼう」「きょうはなんのひ？」「なべなべ おかゆを にておくれ」「わたしのワンピース」「バーバパパ」…… 思い出すだけで心がじんわりと温まり、久しぶりに絵本を読み返したくなってしまいました。
大人も子どもも心がほっこりする絵本屋さん
そこでお邪魔したのが、那覇市壺屋（つぼや）にある『hoccorie（えほんやホッコリエ）』。気分転換をしたい時や仕事で疲れている時、帰り道にふらっと立ち寄りたくなる絵本屋さんです。
絵本は“子どもが読むもの”と思われがちなのですが、実は大人こそ読んでおきたい絵本というものも存在します。人生経験を積んだ大人だからこそ分かる良さや深さがあり、ストーリーの中に隠されたメッセージをも読み取ることができるのです。
10坪ほどのこぢんまりとした店内には500冊以上の絵本がラインナップ！ １冊にいくつものメッセージが込められているものもあり、また、自身で“探す楽しさ”もあるということで、あえてジャンル分けはされていません。
「子どものために買った絵本がキッカケで、気が付いたら子どもよりも私の方が夢中になっていました(笑)」と話すのは店主の石田 夢子（いしだ ゆめこ）さん。自分が絵本を読んで感じた感動を人にも伝えたくて、2013年9月にホッコリエをオープンさせたのだそうです。
例えば『だいじょうぶ だいじょうぶ』は心配事を抱える方や仕事や子育てに追われる中で、心のゆとりを求める方に読んでもらいたい１冊なのだそうです。
癒やしを求めている人におすすめの絵本は？
年末も近くなり、毎日バタバタ忙しく、気疲れやプレッシャーを感じている人は多いのではないでしょうか？心の疲れを溜めすぎると、ある日燃え尽きてしまう可能性も…。そうならないためにも、絵本が必要です。夢子さんに、「癒やしを求めている人におすすめの絵本」を2冊選んでもらいました。
1冊目は『森の絵本』。表紙だけで癒されそうなこの絵本では、ページをめくる度に神秘的な森の世界が広がります。慌ただしい毎日で忘れてしまいがちな“大切なもの”がきっと見つかる…そんな絵本です。
そして2つ目はシュールな絵が印象的な『きょうはマラカスのひ』。読み終わる頃には、心がウキウキしてきます♪
なんだか優しい気持ちになれる絵本で、個性的なキャラクターにハマる大人も続出中しているのだとか。
新しいことにチャレンジしたい！そんな人におすすめの絵本は？
次に「何か新しいことに挑戦したいと思っている人の後押しになるような絵本」を2冊選んでもらいました。
大人になってから“何か新しいこと”にチャレンジするのは、とても勇気がいることですよね。「失敗したらどうしよう？」と心配になるのは当たり前です。始める前から不安がつのり、挑戦する前に諦めてしまう人もいるかもしれません。しかし、始めないことには何も変わらないのです。明るい未来のために、あなたも一歩踏み出してみませんか？
その2冊とは『せかいの はてって どこですか？』と『とべ バッタ』です。前者は何ひとつ不自由のない井戸の中で暮らしていたカエルが、ある日井戸の外へ飛び出したことで、今まで見たことのなかった世界に出会うお話です。
現状に満足してしまうと、残念ながらそれ以上は成長（進歩）することはありません。「可能性は自分次第で広がるものなのだ」ということを教えてくれる作品です。
そして『とべ バッタ』は、天敵から身を守るために隠れながら暮らしていたバッタが、勇気を出して踏み出すというストーリー。何かに挑戦する時は不安や恐怖が付きものですが、勇気を振りしぼることで新しい自分になれるのです。なかなか一歩が踏み出せず躊躇している人や、臆病になっている時にページをめくってみてください。
数ある絵本の中から自分にピッタリの1冊を
その他にも、人に感謝すること・人を信じることの大切さや、諦めなければいつか夢は叶うというメッセージが隠された絵本はまだまだたくさんあります。「気になったものはぜひ手に取ってみてくださいね」と夢子さん。“ゆったりと選べるように”と、店内には座り心地の良い椅子が設置されています。
可愛らしいミニチュアサイズの絵本や、飛び出す絵本（仕掛け絵本）は、インテリアのアクセントとしてプレゼントにも喜ばれているそうです。
パリのイラストレーターやグラフィックデザイナーたちがデザインした便箋が100枚綴られている（50デザイン×2枚ずつ）『100枚レターブック』もかなりおすすめ。
こちらは一枚ずつ切り離して使うことができ、手紙だけでなく、封筒やポチ袋、ラッピングペーパーとしても使える優れものです。
最後に、私のオススメの1冊をご紹介…
そして私が個人的に大好きでイチオシなのが『星の王子さま』。この絵本にはいろいろなメッセージや人生の教訓が込められていて、疲れた時やふと立ち止まった時に読み返したくなるのです。
「ものごとはね、心で見なくてはよく見えないんだよ。いちばん大切なことは、目に見えないんだよ。」心に響く名言ですよね。読んだことがないという方はぜひ！！
「最近何をやってもうまくいかなくて」「仕事で大きなミスをしてどうしよう」と悩んでいる友達や、遠方に住んでいてなかなか会えない家族、大切な人たち…贈りたい人の顔が思い浮かぶ絵本屋さん『ホッコリエ』。感謝の気持ちや励ましのメッセージを、メールではなく、絵本で伝えてみるのも良いかもしれません。
【取材協力】
hoccorie（えほんやホッコリエ）
[住所]沖縄県那覇市壺屋1-7-20(MAP)
[電話]070-5272-1451
[営業時間]10:00～19:00
[定休日]日曜日
フォトライター：Sachiko
HP：http://www.oishii-okinawa.com/
