2016.06.21

独自に進化!?沖縄の“ドライブインレストラン”が気になる!


そもそも“ドライブインレストラン”ってナンだ!?

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ドライブインは、1946年(昭和21年)にアメリカで生まれたといわれ、車から降りずにさまざまなサービスが受けられるお店です。沖縄で最初にオープンしたのはこのアメリカンスタイルのドライブインで、1964年(昭和39年)にオープンした「Big Dip」(現在のフォーモストブルーシール株式会社)と「A&W屋宜原店」でした。一方、日本におけるドライブインとは、交通量の多い道路脇などに設けられた駐車場を伴う休憩施設や商業施設、幹線道路沿いの駐車場付きレストランのことを指すのだとか。このような日本でいうドライブインレストランの沖縄1号店は、現在も恩納村で営業している「シーサイドドライブン」といわれています。

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その後、アメリカ人、中国人、沖縄県民が経営する多くのドライブインがオープン。一大ドライブインブームとなり、1971年(昭和46年)にその数は約250店舗にもなりました。当初はお客さんのほとんどがアメリカ人だったそうですが、次第に県民も9人に1人はマイカーを持つようになり、多くの県民が利用するようになったそうです。24時間営業、駐車場完備のドライブインは県民に大好評で、土日には1号線(現在の国道58号)が渋滞するほどの人気だと、当時の新聞に紹介されています。

今なお、現役!沖縄最古のドライブインレストランに行ってみよう!

県内に数多くあったドライブインレストランですが、今では数えるほどになってしまいました。ところが、沖縄第1号のドライブインレストランである「シーサイドドライブン」は今も変わらずに営業していて、北部ドライブの立ち寄りスポットとして、県民だけでなく観光客も多く訪れる人気スポットです。早速、店長の大城啓美さんにお話を伺ってきました。

―お店のオープンはいつですか?

1967年、先代の大城保三が創業しました。当時、軍へ出入りする仕事をしていた際、基地内のドライブインレストランで食事をしてそのスタイルを気に入り、地元の恩納村にテイクアウトもイートインもできる沖縄初のドライブインレストランを作りました。当時は2階建てで、2階は割烹、1階はレストランでした。その頃は周りに食事をできる場所がなかったこともあり、那覇から北部へのドライブ途中のお客さんが多く訪れ、とても繁盛したそうです。

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―お店の特徴を教えてください

テイクアウトカウンターにひさしがあるので雨にも濡れないことや、アメリカンスタイルの外観とネオンサインが特徴ですかね。店の裏手が海なので、窓からサンセットを眺めることもできます。料理は和洋中とさまざまなジャンルの料理が揃い、モーニングメニューやサンドイッチ・ハンバーガーなどの軽食もあります。24時間営業なので、毎日いらっしゃる近所の方やドライブ途中の休憩場所として利用する方などがいらっしゃいます。

─24時間営業って、どのようなサイクルなんですか?

今、24時間営業はテイクアウトカウンターのみで、イートインのできるホールは24時に閉めています。でもメニューはすべて、テイクアウトカウンターで持ち帰りができるので、一応24時間営業って言ってもいいですよね(笑)?スタッフは3交代勤務です。年中無休なので、お正月も旧盆も開いております。台風の時も泊まり込み。周りのスーパーも閉まってしまうので、「開いていて良かった」と言ってくれるお客さんに利用いただいています。

―お店の1番人気は何ですか?

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しいて言えば「スペシャルランチ(スープ、ライスorパン、ドリンク付1,500円)」や「ビーフカレー(800円)」でしょうか。またテイクアウトでご利用いただく方も多い「スープ(200円)」は、1日約240杯売れています。豚骨ベースのダシに野菜やコンソメ、ハム、マッシュルーム、そして企業ヒミツの調味料を入れて毎日作っているんですよ。

コレが魅力!沖縄のドライブインレストランならではの個性派メニュー

沖縄のドライブインレストランには、名前を聞いただけではどんな料理なのか想像できない個性派メニューがいろいろ!シーサイドドライブンでは、最初はメニューに料理名だけを書いていたそうですが、観光客も増えてきて料理内容がわからない方もいるため、今はイメージ写真も載せているのだとか。そんな沖縄ならではの変わった名前の料理、またなぜその名前なのかをご紹介しましょう!

1.チャップステーキ

英語のチャップ(chop)には「たたき切る、小さく切る」という意味があり、「チャップステーキ」とは肉を細かく切ったステーキのこと。細切りにした牛肉、ピーマン、トマト、玉ねぎなどを炒めて、甘酸っぱく味付け。スープ、ライスorパン、ドリンク付(1,250円)。

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2.フライライス

ごはんを牛肉と卵と一緒に炒めた「fried rice」=「チャーハン」のこと。料理写真を載せるまでは、「フライライス」=「フライ」と「ライス」の定食と勘違いする観光客もいたそうです。スープ付(850円)。

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3.ビーフチャーメン

「炒麺(チャウメン)」=「チャーメン」。ボイルした中華麺の乾麺と、薄切り牛肉、玉ねぎ、ピーマン、ニンジン、白菜などを一緒に炒めた中華焼きそば。赤だし付き(1,000円)。

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県外のドライブインレストランとは、ひと味もふた味も違う成り立ちを持つ沖縄のドライブインレストラン。スタイルはアメリカ形式、料理は和食、中華、洋食など何でもありと、まさにチャンプルー文化ならではの進化を遂げています。まるで1950年代のアメリカ映画に出てきそうな趣のあるドライブインレストラン。ぜひドライブ途中に、“沖縄の味”を楽しんでみてはいかがですか。


取材協力
シーサイドドライブイン
恩納村仲泊885
[電話]098-964-2272
[営業時間]テイクアウトカウンター24時間営業/ホール8:00~24:00、金・土曜8:00~25:00
年中無休
 
※参考文献
「沖縄事始め物語」「写真にみる浦添のあゆみ」「沖縄の食にみる米国統治の影響」
※価格は全て税込表示です