2016.03.22

沖縄のソウルドリンク“さんぴん茶”を缶入りで発売したのは誰?


沖縄初○○を探せ!Mission FILE:002

“沖縄で初めて◯◯した人を突き止める「ファミマガ調査隊」シリーズ。第2回は沖縄のソウルドリンク「さんぴん茶」をフィーチャー!

お弁当だけでなく、シーミー(清明祭)や旧盆、法事の席に欠かせない飲み物として、冷たい缶入りやペットボトル入りのさんぴん茶は、すっかりおなじみ。「我が家はいつも冷蔵庫に常備してるよ!」って県民も多いですよね。昔はどの家庭でも急須でアツアツのさんぴん茶を飲むのが一般的でした。そんなさんぴん茶を缶入りのコールドドリンクとして商品化した人っていったい誰なんでしょうか!? いろいろ情報を探るうちにたどり着きました!

 

沖縄・・・いや、日本初の缶入りさんぴん茶を作ったのはこの人!

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沖縄ポッカコーポレーション(以下沖縄ポッカ)初代社長で現会長、そしてフォーモストブルーシール株式会社・代表取締役社長の水田正明さんです。
水田さんが沖縄ポッカで缶入りさんぴん茶を発売したのは1993年のこと。
>詳しくは沖縄ポッカWEBサイトへ

水田さんが語るサクセスストーリーのなかから、ヒット商品を生み出す「水田ルール」が見えてきました。この発想がとにかくすごいんです!

 

ヒット商品を作りだすヒント「水田ルール」その1

「とりあえずカタチにしてみる」

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  • 「とにかくやってみろ!」というポッカの柔軟な社風から、水田さんもいろいろとチャレンジ。ゴーヤーやシークヮーサー、玄米のドリンク、ニンジンのジュースなど、沖縄の素材でいいなと思ったらとりあえず商品化しまた。実は、今では市場で一般的となったヨモギ茶や月桃茶、グァバ茶、さらにアップルティーやピーチティーなどのフレーバーティーも、すべて水田さんが仕掛けたもの。アイディア×行動力がとにかくすごい!大ヒットの芽はチャレンジし続けることから生まれるんですね。

 

ヒット商品を作りだすヒント「水田ルール」その2

「ユニークな発想を持っている人のアドバイスに耳を傾ける」

  • しかし、失敗も数多くしました。そんなとき、ポッカコーポレーションの創業者であり、日本で最初に190g缶コーヒーを開発した谷田利景さんが沖縄を訪れて、「沖縄の食堂ではやかんでよくさんぴん茶が飲まれているよ」とアドバイス。そこで水田さんは茶葉を取り寄せて飲み比べたり、冷やして飲んだり、試行錯誤を繰り返しました。谷田さんのように、普段から好奇心のアンテナを張り巡らせている人の気付きやひらめきを素直に聞いて、開発のヒントにしました。

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ヒット商品を作りだすヒント「水田ルール」その3

「世間の常識を疑う、覆してみる」

  • 当時は缶入りウーロン茶がやっと出始めた頃。さんぴん茶は家庭や食堂で、タダで飲まれるものでした。なのに水田さんは熱くして飲むさんぴん茶をあえて冷たくし、普段使いのお茶をよそいきの缶入りにして商品化。そこには常識や既成概念にとらわれない柔軟な思考、意外性を受け入れる姿勢があり、世間の反発をむしろ楽しんでいるようにさえ見えます。

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ヒット商品を作りだすヒント「水田ルール」その4

「誰に何を言われてもへこたれない。自分の信じた道を行く」

  • 発売当初、沖縄ポッカの缶入りさんぴん茶は、スーパーやコンビニのバイヤー、商社の担当者には「さんぴん茶はあったかくして飲むもんだ。わかってないな!」「こんなことを考えるのはあんたぐらいだ」とぼろくそに言われました。当時の沖縄ファミリーマートのバイヤーにも「これは売れないでしょ」と冷ややかな態度で対応されたそう(水田さん、ごめんなさ〜い<(_ _)>)。しかし、あきらめなかった水田さん。実は前述の谷田さんも缶コーヒーを開発したときに「ポッカレモンの谷田さんは頭がおかしくなったんじゃないか」と⾔われたそう。新しいことを始めるときは、世間の風当たりが強くなるって知っていたんですね。

  • 1st_sanpincya11993年発売の初代さんぴん茶

 

ヒット商品を作りだすヒント「水田ルール」その5

「知恵を絞って予算をカバー」

  • 初めは宣伝費がなく、空港で客待ち中のタクシー運転手に試供品を⼿配り。お年寄りには少しずつ売れるようになったものの、思うようにいきません。水田さんは若い世代にさんぴん茶を浸透させるため、50万円という低予算でテレビCMを制作して勝負に出ます。沖縄のわらべ唄、じんじんを替え歌にして「♪〜チャッチャッチャチャチャ〜♪」というユーモラスな振り付けを演出したCMは一躍話題となり、お茶の間での認知度がUP。発売から4年後、CM効果で売り上げは急上昇。大金をかけなくてもアイディア次第で効果的な宣伝はできる、ということを自ら証明したのです。

  • 1999TVCM021999年TVCM

 

ヒット商品を作りだすヒント「水田ルール」その6

「おいしさには妥協しない」

  • 競合商品が発売される中、ポッカのさんぴん茶はむしろさらに売れるようになりました。その秘密は茶葉の等級や自社独自のブレンドにこだわったこと。さんぴん茶の旨さがおいしい苦みだと知っていた水田さんは、味や香りには妥協しませんでした。「このお茶が売れないという人はたくさんいたけれど、飲んでマズイという人は1人もいなかった。味には自信がありました」と水田さん。沖縄ポッカのさんぴん茶が発売から23年を経た今もロングセラーを続けている理由もそこにあります。このポリシーは、ブルーシールの社長になった今も変わりません。商品の魅力を最大限にすることが“強み”になるのです。
  • sanpincya

 

ヒット商品を作りだすヒント「水田ルール」その7

「ヒントを連れて来るのは足、そして生きた経験」

「本や資料をめくっているだけでは商品開発はできません。いろんな場所へ行き、いろんな経験をしたことがヒントになる」と水田さん。つまり“頭でっかちになるな!”ってことです。

 

水田さんの人柄に触れる!7つの質問

Q.1 今ハマっているもの、マイブームは?
生活習慣病手帳の記入。2か月に1度、通院をして健康管理に努めています。

Q.2 生まれ変わったら何をしたいですか?
もう一度、大学生になって青春したい。野球部とホテルの夜勤バイトと徹夜麻雀と飲みと…
楽しかったな〜(^^)!相当元気でしたね。

Q.3 好きな食べ物&飲み物は?
嫌いなものはナシ。今好きなのはミーバイの煮つけ、それにおいしい日本酒があれば最高(笑)。

Q.4 奥さまへのプロポーズの言葉は?
ちゃんとしたプロポーズはしてないかも…。『俺でいいのか?』『仕⽅ないさ〜(妻)』ですかね〜(汗)。ちなみに妻は職場の先輩。公私ともにかなり支えてもらっています。感謝!(*^_^*)

Q.5 行きたい国は?
行ったことのある国ではスペイン、イタリア、ドイツ。歴史が好きですね。行ったことがない国ではブラジル。リオのカーニバルを間近で見てみたい!

Q.6 口ぐせは?
「準備できてるか?」ですね。人生すべてにしっかりと目標を持っていたい。チャンスが来た時に気づいて、逃さずモノにするためには「準備」が何よりも大事です。それがいろいろなことに成功するヒントだと思っています。

Q.7 水田さんにとって「さんぴん茶」とは?
さんぴん茶がなかったら、僕は今ここにいないし、ブルーシールの社長もしてない。本当にいい巡り会いをしたと思う。さんぴん茶で人生変えたね、僕は。今、楽しく仕事をしていることにも感謝ですね。「ありがとう、さんぴん茶!」

さんぴん茶の元祖「沖縄ポッカのさんぴん茶」がトクホに!

元祖だからこそ県民の健康づくりのお役に立ちたい!沖縄ポッカの想いがようやく実りました。

tokuho
沖縄ポッカさんぴん茶(特製) 160円(税別)

  • amamno
    沖縄ポッカコーポレーション営業部長
    天野俊治さん

  • 最近の健康志向の高まりから沖縄ポッカではさんぴん茶の元祖として、トクホでも元祖になるべく構想を温めていました。親会社であるポッカサッポロフード&ビバレッジの協力のもと、2年の歳月をかけ、機能性の高いさんぴん茶を研究。元祖さんぴん茶と同じ東村の美味しい水で厳選したジャスミン茶葉100%を使用し、糖の吸収をおだやかにする食物繊維「難消化性デキストリン」を加えました。しっかりとした華やかな香り、おいしい苦みや豊かな味わいが感じられるよう仕上げた“わった〜島のさんぴん茶”を毎⽇の健康づくりにぜひお役立てください。

さんぴん茶、ファミコレにもあるよ!

  • famicolle

  • ファミコレのさんぴん茶はパック入りとペットボトルと種類も選べます。

    ペットボトル2ℓ 179円(税込)
    ペットボトル500ml 100円(税込)
    紙パック946ml 108円(税込)

     

Mission2の調査結果

缶入りさんぴん茶を初めて商品化して広めたのは、
沖縄ポッカコーポレーション会長の水田正明さんに認定!
第2回目も、無事にミッションクリア!

 

【耳より!】
ブルーシールの新しい体験型施設「アイスクリームパーク」が2016年8月に、牧港本店隣のレストラン「On Dish」跡地に誕生する予定なのだそうです!
誰でもアイスクリーム作りが体験できたり、ブルーシールのこれまでの歴史が展示される他、南大東島のカボチャ、津堅島の島ニンジン、東村の高級パイン・ゴールドバレルなど、沖縄の地域の特産品を使ったスペシャルなアイスが登場するかも。
「さんぴん茶とのコラボアイスもやってみようかな!」と水田さん。
楽しみ〜!