O-1グランプリ2016の覇者はドラゴンエマニエル!!
進化し続ける“おきなわお笑い” の今をお届け。
そろそろお正月気分も抜けてくる頃ではありますが、みなさん1月2日のO-1グランプリ、ご覧になりましたか~?優勝賞金100万円+αを見事勝ち取ったのは、久米島が生んだ秘密兵器ドラゴンエマニエル!昨年に引き続き2年連続、3度目の優勝を果たしましたね。見逃した方、もう1度見たい!という方ものために、今回は決勝で多くの視聴者票を獲得したネタをファミマガのために披露していただきました!
■0-1グランプリ2016 グランプリ受賞 ドラゴンエマニエル『CM撮影』
――― O-1でのグランプリ受賞、おめでとうございます! 2年連続3回目の王者の座に輝くという偉業を成しとげられたお2人ですが、感想を聞かせてください。
きっぺー:ありがとうざいます。でも、あんまりスゴいことをやったという感じは、正直ないんですよ、無我夢中でやっていたので(笑)。もちろん、結果がついてきて、ありがたいなという気持ちはありますね。同級生や芸人の先輩・後輩など、周りの皆さんから「スゴイな」って声をかけてもらえはするんですが、そう言われても、自覚がないもんで…。しょうごは自覚、ある?
しょうご:いや、ない…(笑)。ただただ (真面目に) 、やっている感じですね。
きっぺー:おめでとうの電話やメールは、結構きましたね。親からもすぐに。「引越ししよう」って言われました。
しょうご:すぐ?マジで?(笑)
きっぺー:いつもO-1ではオープニングでネタ披露の順番を決めるんですけど、テレビをご覧頂いた方はわかると思うのですが、しょうごがトゥームレイダーのめっちゃふざけた衣装で登場していて。で、ボクらの1本目の漫才が正装で挑むネタだったのですが、順番がAブロックの2番手に決まって。なので結局、しょうごが着替えなくちゃいけないのでネタの練習ができなくて…。
しょうご:今回は衣装の問題(早着替え)がありまして。いろいろ装備しているもんで…。なので、順番が決まったときに、「あれ?今、オレ、こんな格好しているけれど、順番考えてなかったやっし!」って思って。だから、すごく急いで着替えて。本番に間に合うか、アブなかったです、マジで。でも、評判でしたよ。
きっぺー:(笑)。一応、よかったよ。結構いつも、ネタに入る前のしょうごの掴みがお客さんの心を掴んでくれるというか。やりやすい雰囲気に持っていってくれますね。
しょうご:だから、あれは、わざわざやる必要があるんですよ。作戦です。
きっぺー:策士と思いきや、ただフザけているだけなんですけどね(笑)。ただやっぱり、O-1は芸人たちの競いの場ではあるので、現場はピリピリとした緊張感はあるんですよ。ライブとかは芸人みんなで盛り上げよう!っていう雰囲気ですけど。そういった意味でやっぱりO-1は違いますよね。でも楽屋は一緒で、ワイワイしてはいるんですが、きっとて内心ではみんな「コイツらよりオレらが面白い!」って思っているでしょうね。
しょうご:そうそうそう。
――― 今回は優勝賞金100万円と今までよりグン!と賞金が上がりましたね。聞きにくいお話ですが、その使い道の予定は?
きっぺー:今、兄貴と2人暮らしなんですけど、家族がよく久米島から泊まりにくるんです。だから、自宅を引っ越してグレードアップはしたいかなーとは思っています。
しょうご:ただただ将来が不安なだけだし。だから貯めておかんと。最悪、結納金だけは残しておきたいなと。
きっぺー:まぁ、ボク達事務所は、賞金を2人にくれるんで。
しょうご:ほかの事務所は、引かれますけどね(多分、笑)。
――― 今回は沖縄ファミリーマートから、副賞として“フライドチキン100本券”を贈呈させて頂きましたが、早速召し上がりましたか?
きっぺー:まだ、使ってないですねー。これも、50-50で分けようと思っています。ボクらはパワーバランスもちょうど半分はんぶんですから。基本的には自分で使おうかなと思っていますが、お世話になった人たちにも食べてほしいなーとも思っています。結構、周りでファミマのチキンファンが多いんで。
しょうご:いつも食べてるよ!声を使うので。鶏肉の脂を食べると喉にいいって聞くじゃないですか(しょうご談)。だからライブの前とかもそうですけど、フライドチキンを買って、食べてたりしています。でも、ボクはまぁ…結納のために、、、。
きっぺー:(爆笑)これもか!
――― “おきなわお笑い”芸人のトップランナーコンビとして、今年はどう活動をされていく予定でしょうか。また、“おきなわお笑い”はどうなってほしいですか?
きっぺー:コンビとして一番近い目標でいうと、今年の夏に行われる『お笑いバイアスロン』でも優勝したいです。それを目指すために、毎月のライブでもネタのブラッシュアップをしていきたいですね。あと、「離島出身でも、頑張っていけるんだよ!」っていうところを見せていけたらいいなと思っています。特に、久米島の若い子達に見せていけたらと思っています。
しょうご:きっぺーも言ってるように、まずは『お笑いバイアスロン』!この大会はO-1と違って審査員が審査するスタイルなので、ここでも必ず獲りたいな(優勝)と思っていますね。…とりあえず、周りを黙らせたいですね。完全に支配したい!あの…ボク、復讐のためにお笑いやってるんで。…マジで。復讐するために…。
きっぺー:(むせながら爆笑)
しょうご:本当にムカつくヤツら多いんですよ…。今は沖縄も芸人がメッチャ増えているんで。前までは「“おきなわのお笑い”を広げるため」だったのが、今は「勝負しないといけない」時代に入ってきたと思っているんです。そのためにも、ある対価を獲らないと生き残れない…っていう感じ。あ!ムカつくっていうのは、忘れてほしいんですけど(笑)。ま、復讐ってのも忘れてもらって(笑)、普段のライブとかでも負けたくない!っていう気持ちですかね。勝負だけがお笑いではないとは思いますが、こんな自分たちのスタイルは何年経っても変わらず続けていきたいなと思っています。でも、復讐です(笑)。
――― ファミマガ読者のみなさんへひと言、お願いします!
きっぺー:沖縄県民の皆さんのなかには、あまり、“おきなわお笑い”に目を向けていない方もいると思うんですよね。ただ、今、着実に“おきなわお笑い”のレベルが上がってきていると思うんですよ。だからぜひ、生のお笑いライブを見てもらいたいです。
しょうご:まずは、ライブを見に来てください!ということでしょうかね。周りでもよく「“おきなわお笑い”を見たことがない」「興味がない」と聞いたりするんですけど、それでも1度ライブを見てくれたら「生で見ると面白い!」に変わる人も結構多かったんですよ。
だから、ボクら以外のライブもそうですけど、沖縄には面白い芸人たちがいっぱいいるので、ライブに足を運んでほしいな、と。新年1発目のFECのライブがすぐにあるんで、ぜひ見に来てください!!!
沖縄で最旬芸人ドラゴンエマニエルの最新ネタ、お楽しみいただけましたか?O-1グランプリ獲得後の直撃インタビューも、彼らのネタのようなトーク炸裂で思わず笑っちゃいましたね!
…ところで
「“おきなわお笑い”って誰がルーツなの?」
「どんな風に広がっていったの?」
って気になりませんか?というわけで、さっそくその歴史を調べてみました。
番組変遷からわかる!
これが、“おきなわお笑い”の今昔マップ。
ここで沖縄に現役バリバリの芸人が多い理由、新人が次々と生まれる理由を考察。
①沖縄は元々演芸が大好きな土地柄である
沖縄芝居が大好きなお年寄りってたくさんいますよね。
②多くの県民がユーモアのセンスを持ち合わせている
たとえば、食堂の看板娘が85歳のおばぁで「年上の彼氏募集中よ~!」ってジョークを飛ばしたり、タクシーの運転手さんが300円のお釣りを渡す時に「ハイ、300万円!」って言ってきたり(笑)。そこには戦争の辛い記憶や歴史を、笑いや芸能の力で元気に吹き飛ばしてきた沖縄流のユーモアが息づいているのかも。
③島国である
みんなで助け合って仲良く暮らしていくためのコミュニケーション術を、理屈じゃなく自然に身につけているように感じます。
④芸人たちの現地調達を余儀なくされていた
本土の芸人たちのように国内を新幹線でスイスイ移動するというわけにはいきません。沖縄への移動は海を渡るしか方法がなく、その料金がギャラにプラスされてしまいます。だから地元産芸人を積極的に起用し、結果的に県内お笑い界が活性化したのかもしれませんね。
⑤活躍し続けている現役の先輩芸人がたくさんいる
つまり、お笑いを職業としてやっていっていいんだという安心感が沖縄にはあるのです。いいモデルケースが目の前にいつもいるというわけですね。
⑥あったかい南の島は人も自然体で、天然で面白い人が多い気がする!?
ほら、たとえばカンムリワシの具志堅用高さんとか、親戚のおじさんにも似たようなキャラがいる~!という人も多いのでは?
結論!“おきなわお笑い”はやっぱりライブで観るべし!
“おきなわお笑い” のネタは、かなりローカルな要素が盛り込まれていますよね。たとえば、うちなーぐちはもちろん、沖縄の伝統文化、風習、そして米軍基地まで!何でも笑いに変えて、悩みも逆境も笑い飛ばしてしまうのが沖縄流といえそうです。こんなに小さな島でいつもどこかでお笑いライブをやっているなんて、全国のお笑いファンからしたら、かなり贅沢ですよね。もちろん、ネタも芸人も粒ぞろい!!今年は“おきなわお笑いライブ”を見て、笑って、楽しみましょう。
各団体のお笑いライブ情報はこちら。ぜひチェックしてみてね!
- 【プロフィール】
ドラゴンエマニエル。左からボケ担当の“しょうご”こと仲村昭吾と、ツッコミ担当の“きっぺー”こと喜久里航平からなる、2009年結成のお笑いコンビ。FEC所属。共に久米島出身。視聴者参加型のお笑い大会のO-1グランプリ2016で優勝を飾り、同大会で3回目2年連続の王者に輝く偉業をなしとげた沖縄で今、最も注目を集める若手の1組。毎月開催している事務所主催のライブをはじめ、テレビ・ラジオ・CMほか、イベントなど多彩に活躍中。
取材協力
◎ FEC
◎オリジン・コーポレーション
◎エンターサポート
◎よしもとエンタテインメント沖縄
◎沖縄テレビ開発常務取締役 山里孫存さん
◎沖縄テレビ報道制作局ディレクター 山内駿さん
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