夏の恒例イベント今年も開催!
沖縄とアーティストたちの架け橋に
8月19日(水)にニューアルバム「People People」、 「800だョ全員集合!!」8月29日(土)沖縄公演、9月4日(金)・5日(土)東京公演、さらに新作を携えて9月29日(火)から全国ツアーもスタートと、今年はMONGOL800から目が離せません。
彼らが奏でる音楽は、まさに今の沖縄そのもの。沖縄で生まれ育ったミュージシャンとして、ストレートにメッセージを発信し続けるMONGOL800のキヨサクさん(Vo&Ba)に、作品やイベントに込めた想いを伺いました。
─「800だョ全員集合!!」が間もなく開催ですね!1年越しに開催される「800だョ全員集合!!」も「What a Wonderful World!!」も、MONGOL800の夏のイベントとして定着しつつあると思うのですが、今年の見どころなど教えてください。
「800だョ全員集合!!」は前回、沖縄公演が台風で中止になってしまったので、沖縄では2回目、東京公演も2回目になりますが、夏の定番イベントと思ってもらえているとうれしいです。 「800だョ全員集合!!」と「What a Wonderful World!!」を交互に開催していて、「オン」「オフ」に例えるならば、「800だョ」は「オフ」の方なんです。
「What a Wonderful World!!」は大掛かりな野外フェスで2日間の開催。「800だョ」は沖縄や東京でも開催してみるとか、いい意味でフットワークが軽くいろいろと楽しみながらアーティストのラインナップや新しい事を試せるイベントになっていますね。
「800だョ全員集合!!」はドリフターズをテーマにしているお祭りなんです。前回中止になってしまったということもあり、今年の沖縄公演はリベンジの気持ちもありますが出演者も全員沖縄のミュージシャンなので、それだけでも純粋に盛り上がれると思っています。東京公演はドリフターズの聖地でもある渋谷公会堂で行いますが、取り壊し前の最後(※)の公演になるので、その点も注目しつつ、スペシャルな演出も予定しているので楽しみにしていてください。
※建替えに伴い平成27年10月4日をもって一時閉館
─ 沖縄でイベントやフェスを開催するということについて、思いを聞かせてもらえますか。
そうですね。イベントに来てもらって、MONGOL800をきっかけに、他のアーティストに興味をもってもらえたり、そのアーティストのライブにも行ってみたい!って思ってもらえたらうれしいですよね。ツアーで沖縄まで回ることが難しいミュージシャンもいると思うので、「What a Wonderful World!!」や「800だョ全員集合!!」が、そういうミュージシャンと皆さんの出会いのきっかけになってほしいです。あとは、自分たちももちろん楽しんでいますが、出演者の皆さんも楽しんでもらえるのが沖縄でイベントやフェスを開催するいいところだと思います。「また出たい!」って言ってくれるので、それもありがたいです。
─ 去年に引き続き、今回もファミパチマートのラッピングプロジェクトを手掛けて頂きましたが、どんな思いが込められていますか?
この企画が定着してくれると、うれしいですよね。毎年イベントを開催しているので、ラッピングを見た方が、「あぁ、今年は800だョ全員集合!!なんだ」とか、「今年はWhat a Wonderful World!!なんだ」って知って、店内でイベントの情報をゲットしてもらえたらお互いリンクもできますし。今回はデザインも夏祭りをイメージして、楽しい感じに仕上がっています。
MONGOL800 が再びファミマおもろまち二丁目店をジャック! 「800だョ全員集合!!」コラボ企画“ファミパチマート“として、ラッピング店舗が登場(2015年10月初旬まで予定。台風時など一時外装撤去対応などもあり)
─ 前回はすごい反響だったそうですね。観光スポットのようになっていました。
グッズの販売もありますし、たくさんの方に訪れてもらって、お店でも「800だョ」の雰囲気を楽しんでもらえたらうれしいです。
“手ぬぐい”“フェイスタオル”“ハッピ”など「800だョ」オリジナルグッズを扱う店内。店舗の外では、MONGOL800のメンバーの看板と記念撮影をするファンの姿も
─ 2年半ぶりとなるオリジナルアルバム「People People(ピーポー ピーポー)」が19日にリリースされます。タイトルに込められた思いやアルバムの聴きどころなど教えてください。
タイトルの『People People』は<人々>と、危険を知らせるサイレン<ピーポーピーポー>とのダブル・ミーニングです。
ライブではすでに「himeyuri 〜ひめゆりの詩〜」は披露していて、お客さんの反応もとてもいいですね。あとは沖縄ファミリーマートのCM楽曲として去年書き下ろした「OKINAWA CALLING」もライブでは定番になり、かなり盛り上がります。今回はアルバムヴァージョンとして収録した「OKINAWA CALLING」には浅草ジンタのSeasirがトランペットで参加してくれて、より賑やかになりました。
前作の「GOOD MORNING OKINAWA」はMONGOL800の結成15周年だったということもあって、改めて沖縄を見つめ直して作ったアルバムでした。その時は、自分では歌い切った感もあったので、次回作はもっとポップで底抜けに明るいアルバムが作りたいと思っていたんですが、いざフタを開けてみたら沖縄の現状を意識した作品になっていましたね。このご時世がそうさせるというか。直接的に「歌」で表現できるのも自分たちの強みだと思っているので。「OKINAWA CALLING」の歌詞もいい意味でこのアルバムにはまると思ったので収録することにしました。
今回、改めて振り返るとラブソングが少ないんですよね。なんでだろう?って思って考えた時に、ラブソングはいつでも歌える、と思って。もしかしたら平和な時に歌う歌がラブソングなのかもしれないし。本当はポップなアルバムにしたかったのですが、頭の中を開けて、歌詞を書いてまとめたらこうなりました。今はラブソングを歌う時期じゃないのかもしれません。
─ 「himeyuri 〜ひめゆりの詩〜」は慰霊の日(6月23日)にYouTubeで先行公開されましたよね。
まずアルバムのなかから「himeyuri 〜ひめゆりの詩〜」と「People People」と、最後の「to be continued」を映像化しようということになって、そのなかでも「himeyuri 〜ひめゆりの詩〜」を慰霊の日に公開することに意味があるのかなと。世論ではいろいろな意見がありますが、そういうことを抜きにして、「70年前にこういうことがありました」「県内、県外、アメリカのこれだけの人が亡くなりました」という事実を伝えたかったんです。広島でも長崎でもそうですけど、その日だけではなく、いつでも心に留めておくことが大切だと思っています。
─ 県外で沖縄を歌った曲を演奏する時のお客さんの反応はいかがですか?
曲紹介のときにMCで沖縄について少し話すんですけど、「himeyuri 〜ひめゆりの詩〜」の時には、キャッチコピーの「平和と呼ぶには遠く、歴史にするには早く」という2行を伝えると、みなさんしっかり聴いてくれます。
─ このアルバムを携えてのツアー(全国25カ所29公演)も始まりますが、どんなツアーになりそうですか?
ツアーはスタッフの意見も聞きながらみんなで演出を考えていくんです。前半の公演はセットリストも3パターンくらい用意して、お客さんの反応を見ながら精査していって、最後は一番見せたかった形になることが多いです。今回は「People People」を中心に全曲持っていくので、ツアー中もいろいろ考えながら充実した内容にしていこうと思っています。で、ツアーが終わって、リセットして、新しい年を迎えると(笑)。
今回はライブハウスが少ないんですけど、お客さんによっては「ホールが良かった」「ライブハウスが良かった」って分かれるので、好きな方のライブに来てもらえるとうれしいですね。9月、10月はライブハウスもあるので、前半はライブハウスで、後半にホールへ来てもらえると2度楽しめると思います。その頃にもセットリストが変わっている可能性もありますし。
─ このツアーをきっかけにみなさんに沖縄について考えてもらえるようになるといいですね。
そうですね。アルバムをリリースしてお客さんの反応がちょっと分かると思います。僕も楽しみです。
─ 昨年、母校・浦添高校開校50周年記念で、サプライズライブを行われたそうですね。とても沖縄らしいエピソードに感じましたが、どういう経緯だったんでしょうか?
浦添高校からのオファーは以前からあったんですが、なかなかスケジュールが合わなくて。でも2014年の暮れにうまく調整できて、クリスマスの終業式にサプライズライブをしよう!ということになったんです。しかも、同じ浦添高校の先輩でもある粒さん(粒マスタード安次嶺)と一緒に。サプライズ企画だったんですけど、仕込みは結構大掛かりで、終業式なのにステージには大きなスピーカーが置いてあるし、生徒の中にはアレ?と何か感じていた子もいたかもしれません。終業式が終わってから一度教室に帰して、また体育館に呼び出してのライブ。3曲を演奏した後、みんなで写真を撮りました。
在校生はもちろん先生方も喜んでくれて。開校50周年というメモリアルでしたし、自分たちも参加できて良かったです。体育館は在校時のままで、当時、学園祭でMONGOL800として演奏した時以来だったので、自分たちにもいい節目になったように思います。
─ 粒さんとは同じ高校出身というご縁があったのですね。「OKINAWA CALLING」のMVにも出演されていますが。
そうですね。「OKINAWA CALLING」は、粒さんありきで展開したいという思いもあったので。粒さんは歌詞の中の「(一歩ずつ一歩ずつ)あなたがあなたらしく(一歩ずつ一歩ずつ)輝きますように」というフレーズがとても気に入ってくれているようで。ライブの時はそこだけ、うれしそうに俺のそばに来るんです(笑)。
─ 最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
今年は「800だョ全員集合!!」とアルバムのリリース、ツアーもあって、見どころ満載の年になりました。前作のツアー中に「次回作は、あまり待たせない」と皆さんへ伝えていたので、それをちゃんとクリアできたかなと思っています。それと、沖縄でのイベント開催が定着してきたのがうれしいです。MONGOL800だったり、他のアーティストだったり、イベントだったり。いい意味で底上げしていくように自分たちも関わっていけたらいいですね。
最近、沖縄のアーティストが精力的に活動していて、みんな実力もある。アジアに向けていく人もいれば、日本を飛び越えて世界に発信している人もいるし、改めて沖縄の多彩な魅力を感じています。MONGOL800のイベントが、そういう人たちとの繋がりの場になってくれればうれしいです。
自分たちは自分たちなりに、メッセージを表現し続けているので、そこから何かを感じてもらいたいですね。今回のアルバムはリリース前の空気感が「MESSAGE(2nd アルバム)」の時と似ているので、聴いてくれた人たちからのレスポンスを、ちょっとの期待とちょっとの不安を感じながら楽しみにしています。
【プロフィール】
MONGOL800(モンゴルはっぴゃく)
キヨサク(Vo&Ba)、儀間崇(Gt & Vo)、高里悟(Dr & Vo)。メンバー全員、沖縄出身・在住。1998年、高校在学中に現メンバーにより結成。2001年、2ndアルバム「MESSAGE」でインディーズアルバム史上初のオリコンチャート1位を獲得。拠点である沖縄から自然体の言葉、平和を願うメッセージを発信し続ける唯一無二のスタンスが、多くの人々の共感を呼び、幅広い世代から熱い支持を得ている。初のレギュラーラジオ番組「What a Wonderful World!! (JFN系列全国24局ネット) 」も好評O.A!
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■ NEW アルバム
2015年8月19日(水)リリース
タイトル「People People」
価格:2, 800円(税別)