早速ですがクイズです!次のうち、沖縄特有の苗字はどれでしょう?
①山田
②佐藤
③大工廻
沖縄には他県ではあまり見かけない、ユニークで個性あふれる苗字や地名が数多く存在します。
その名前には、沖縄の豊かな歴史や文化、そして自然環境が色濃く反映されています。
本記事では、沖縄ならではの珍しい苗字や地名をご紹介!
目次
9月19日は「苗字の日」
日本で「苗字」を名乗るようになったのはいつ?
日本では、明治維新後に新政府が四民平等の社会を実現するため、平民に苗字を公称することを許可しました。これが1870年9月19日に発表された「平民苗字許可令」です。現代で9月19日が「苗字の日」とされているのは、この日に由来しています。
しかし、許可令公布当時、苗字の届け出は円滑に進まなかったと言われています。明確な理由は定かではありませんが、「(苗字を名乗ることで)税金を多く取られてしまうのではないか」という平民の警戒心も要因の一つではないかと推測されています。
写真:国立公文書館デジタルアーカイブ「平民苗字許可令(平民苗字ヲ許ス)」
どうにかして苗字の届け出を促進したい明治政府は、1875年2月13日に、苗字の使用を義務づける「苗字必称義務令」を発表し、全国民に苗字を名乗ることを義務づけました。
布告令には「これからは必ず苗字を名乗りなさい。祖先以来の苗字が分からない者は、新たに苗字をつけなさい」と記されています。義務令を受けた国民は、寺に頼み込んで苗字を名付けてもらったり、役場総がかりで全世帯の苗字を作ったという例も記録されており、苗字公称の強制は各方面に混乱をもたらしたと言われています。
沖縄の苗字や地名は珍しい?
沖縄で一般の人が苗字を持ったのは、「平民苗字許可令」から数年後、日本に併合された後だと言われています。
日本本土とは異なる歴史と文化を持つ沖縄では、その独自性は苗字や地名にも色濃く反映されています。特に、琉球王国時代からの名残が強く、当時の文化や制度に由来するものが多いと言われています。現在でも珍しい苗字や地名が数多く存在していますが、これらの名称には地域の歴史や風土が込められており、独特な漢字や読み方も沖縄ならではの特徴です。
写真:NO MARK Inc.
珍しい沖縄の苗字&地名5選
長く沖縄に住んでいても、意外と読めない苗字や地名…。
その中でも珍しい・難しい読み方の苗字や地名をご紹介!
我那覇
一発目はこちら!沖縄の地名・苗字の中でも比較的読みやすいのではないでしょうか?
読み方は我那覇(がなは)です。沖縄県豊見城市我那覇が発祥と言われており、琉球王国時代に記録のある地名で、苗字にもなっています。琉球音は「ガナファ」で、「小さな漁場」が語源なのだとか。
仲程
こちらもまだまだ読めるのではないでしょうか。読み方は仲程(なかほど)です。
沖縄県大里村がルーツと言われており、語源は「道のりの中程」を指すという説や、「”仲”は村や集落の中央、”程”はその近くという意味が含まれ、集落の中心に位置する者が名乗った」など諸説あります。集落制度や地理的な配置に由来する苗字であり、琉球王国時代の社会的な構造とも関連が深いと考えられています。
仲村渠
急に雲行きが怪しくなってきましたね。
思わず「なかむら…?」と読みたくなりますが、読み方は仲村渠(なかんだかり)です。
沖縄県南城市玉城仲村渠(または沖縄県島尻郡久米島町仲村渠)が発祥と言われています。琉球王国時代に記録のある地名で、苗字にもなっています。琉球音も「ナカンダカリ」。地名は「仲村別れ」からで、「仲村の分村」の意味を持つのだとか。
喜屋武
ここまで来たら、どうにか気合いで読めそうな喜屋武(きゃん)。
沖縄を舞台にした、とある漫画のヒロインの苗字にもなっています。
沖縄県糸満市喜屋武(または沖縄県うるま市喜屋武)が発祥と言われており、琉球王国時代に記録のある地名で、苗字にもなっています。琉球音は「チャン」。語源は「島の最南端」という意味からきているのだそう。沖縄県以外にも、大阪府や鹿児島県などにも見られる苗字なのだとか。
保栄茂
沖縄の苗字・地名の中でもトップクラスに難読であろうこちらは、保栄茂(びん)と読みます。
漢字は3文字、読みは2文字。驚きの読み方ですよね。沖縄県豊見城市保栄茂が発祥と言われています。諸説ありますが、沖縄の古代歌謡集「おもろそうし」によると、保栄茂は平仮名で「ほへむ」と記されているそうです。後に「保栄茂(ぼえも・ほえも)」と漢字表記し、沖縄風に訛って「びん」と読むようになったのだとか。
写真:NO MARK Inc.
難読!沖縄ファミリーマート店名クイズ
沖縄県内各地にある沖縄ファミリーマートですが、中には珍しい&難読な店名も。
「ファミリーマート●●●店」の読み方を考えてみましょう!みなさんはいくつ読めますか?
ファミリーマート久米西武門店
①にしぶもん
②せいぶじょう
③にしんじょう
ファミリーマート北中喜舎場店
①きしゃじょう
②きしゃば
③きっさば
ファミリーマート北谷桃原店
①ももはら
②とうばら
③とうばる
ファミリーマート恩納冨着店
①ふちゃく
②とちゃく
③ふぎ
ファミリーマート石川東山店
①あがりやま
②あずまやま
③ひがしやま
まとめ
沖縄ならではの苗字&地名、みなさんはいくつ読めましたか?
沖縄には「南風里(はえざと)」「東風平(こちんだ)」「勢理客(じっちゃく)」…などなど、さらに珍しい地名や苗字が盛りだくさん!それぞれの由来も諸説あるので、この機会に自分の苗字や生まれ育った地名のルーツを調べてみてもいいかもしれません。
沖縄県内をドライブする際やお出かけの際は、今回ご紹介した珍しい名前のファミリーマート店舗も探してみてください!
今回クイズ形式でご紹介した5店舗を含めた難読12店舗をマップにまとめています!ぜひご覧ください!
<参考文献等>
国立公文書館 / 国立公文書館デジタルアーカイブ / 日本経済新聞 / 日本姓氏語源辞典 / 名字由来net