2022.07.21

【沖縄の台風対策】備えておきたいコンビニ便利グッズと防災のススメ!


夏といえば、沖縄の台風シーズン! 最近は沖縄本島に台風が来ることは少なくなってきましたが、台風に備えて色々準備をする方も多いと思います。

今回は、そんな台風シーズンに備えた防災をテーマに、那覇市消防局の前泊 利和さん(以下、前泊さん)にライターの翁長がインタビュー。

提供写真:那覇市消防局 前泊さん

台風対策の他、万が一、停電や浸水などが起きてしまった時に役立つグッズや、緊急時の適切な119番通報についてお話を伺いました。

●台風時に多い災害と、避難の心構えについて

“翁長”
翁長
最近、本島に台風があまり直撃しないこともあって、台風への備えが疎かになっている気がします。
“前泊さん”
前泊さん
確かに、最近台風が直撃することは少なくなっていますが、台風の影響で、発達した前線が大雨を降らせることが多くなっています。那覇消防署でも、浸水や土砂災害での出動が多くなっていますね。

(沖縄の台風の様子)

“翁長”
翁長
そういえば、豪雨で車や家が浸水するというニュースは増えたように感じます。浸水対策にはどんなことが必要でしょうか?
“前泊さん”
前泊さん
何よりも怖いのが土砂災害です。まずは、テレビやラジオで住んでいる地域にどんな警報が出されているのかをチェックしてください。情報収集はとても大切です。2021年5月に「災害対策基本法」の改正がありました。
よりわかりやすく避難指示が出されるようになったため、警戒レベル「4」までに必ず最寄りの避難場所に避難してください。
“翁長”
翁長
警戒レベル「4」になるまでに行動することが大切なんですね。
“前泊さん”
前泊さん
特にお年寄りの方や体が不自由な方は、警戒レベルが低くても、念のため避難することを検討されてください。また、高齢者や持病のある方は、自分がいつも飲んでいる薬を持ち出せるよう管理しておくこともお勧めします。
コンタクトを使用されている方も、洗浄液や予備のメガネなどがないと避難行動もままならないので、ぜひご準備ください。
“翁長”
翁長
目が悪いと何にもできないですもんね。私も1dayのコンタクトをいくつか用意しておきます。
避難所についてからも、家が心配で・・・という方も多いのではないですか?
“前泊さん”
前泊さん
そうですね。家が心配で避難所に行かないという方もいますが、命が最優先なので、必ず避難指示に従ってください。家でできる浸水対策としては、玄関や窓からの浸水を防ぐために土のうなどを設置すること。
そして、貴重な家財道具などは押し入れの上段に移すなどの対策が必要です。 車はできれば安全な場所に移動、エンジンまで水に浸かってしまった場合は、感電やショートなどの車両火災の恐れもあるため、エンジンはかけず、修理業者などに相談してください。
“翁長”
翁長
私も、大雨の時に冠水している道路を止むを得ず走っている時があります。豪雨はいつやってくるか分からないですから、日頃から意識を持って危機管理をしたいと思います。台風の時に特に気をつけることはありますか?
“前泊さん”
前泊さん
台風では、雨の他、風対策が必要になります。必ず「風が強くなる前」に、家の周りの飛びそうな植木鉢や置物は室内に移動してください。
風が強くなってからの作業は大変危険です。特に雨漏り対策で高所に昇る方がいますが、本当に危険です。台風の時は普段よりも119番の通報が多くなりますので、事前の台風対策をお願いいたします。

“翁長”
翁長
無茶はせず、事前対策を徹底することが必要なのですね。風が強くなったら外には出ない!を原則に台風が過ぎるのを待ちたいと思います。

●台風による停電や断水、浸水時に役立つコンビニグッズの紹介

“翁長”
翁長
台風時の停電や断水、浸水に備えて、何か準備しておいたほうがいいものはありますか?
“前泊さん”
前泊さん
ご家庭では、下記のものを用意しておくと便利です。

・温めなくても食べられる白米やパン
・缶詰
・レトルト食品
・飲料水(1日3L/人)
・ロウソク
・懐中電灯
・携帯ラジオ
・予備電池
・救急の薬品
・ビニール袋(大きいものから小さいものまで用途多数。浸水時など寝る場所が濡れた際などでも便利)
・厚手のウェットティッシュ
・カセットコンロ
・子どもが好きなお菓子など
・ラップ(お皿に巻いて食べると洗う必要がありません)
※一部店舗にて取扱いのない場合がございます。
※掲載の商品は今後、パッケージ・規格・価格の変更及び販売終了となる場合がございます。

  (こんな風にお皿にラップを巻いてください)

“前泊さん”
前泊さん

避難が必要な場合には、携帯ラジオや予備電池などを備えておくと情報収集の時に活躍します。
また、避難所ではマスクや消毒液・アルコールの入ったウェットティッシュなどを持っておくと、衛生面で役立ちますね。大きめのバスタオルは濡れた体を拭くだけでなく、冷えた体を保温することもできるので、お子様のいる家庭では用意しておくと良いと思います。
沖縄の人はキャンプやアウトドアを楽しむ方も多いので、クーラーボックスなどに備品をまとめておくのも良いと思いますよ。

“翁長”
翁長
なるほど。どれも身近なもので、コンビニでも手に入るものもありますよね。いざとなった時すぐに取り出せるよう置き場所を決めるなど、今からでも備えておくことができますね。
“前泊さん”
前泊さん
はい。災害はいつ起こるか分からないので「今から台風が来るから」というよりは、定期的に防災グッズの見直しをするなど日頃から意識しておいて損はありません。

 

(沖縄ファミリーマートの予備電池・懐中電灯・ろうそく売り場)

“翁長”
翁長
最後に、那覇消防局からのメッセージがあればお聞かせください。
“前泊さん”
前泊さん
我々は「119番通報」で出動しています。119番は救急車・消防車両方が対象になり、台風や豪雨時は特に通報が増えてしまいます。

“前泊さん”
前泊さん
間違ってかけてしまった場合も、無言で切ることはせず「間違えた」ことを伝えて電話をください。無言で切られてしまうと「意識がなくなってしまったのではないか」と、私達は確認する必要があります。 確認している間にも、救助を必要としている誰かがいるかもしれません。
ぜひ皆さんで一緒に防災意識を高めていき、救助体制が円滑になるよう応援していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

“翁長”
翁長
貴重なお話ありがとうございました!台風や豪雨、土砂災害の際は、落ち着いて情報を集め、指示にしたがって行動していきます。 また日頃から必要なものはすぐに持ち出せるよう整理整頓がんばります!!!

取材・執筆:翁長 佐也子