ストレスが溜まると辛い物が食べたくなるのは、私だけでしょうか。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年は開始直後からあらゆる制限が求められました。ストレス・・・溜まりますよね?
近年は「第4次激辛ブーム」と言われていますが、実はストレスと激辛には深い関係があるそうです。第1~3次激辛ブームのタイミングも、不景気やストレス社会が深く関わってきているという分析結果があるので、気になる方はググってみてください。
ということで猫も杓子もストレスが溜まる、アフターコロナ時代のストレスを暑さと共に吹き飛ばす『激辛』新商品が、6月23日(火)沖縄ファミリーマートより新発売!
その名も「激辛ポテトチップス 島ネロ味」!!
とにかく激辛すぎて、開発者すら一袋食べきれないという噂の新商品。今回、カラ〇ーチョも〇〇タンメンもタイ料理も韓国料理も大好きな自称“激辛大好きライター三好”が、その開発秘話と、沖縄ファミリーマート開発担当者が「ご意見をいただいたらどうしよう」と怯えるほどの激辛さ(!)をしっかりとお届けします!
島ネロ“再”開発秘話「味の再現に自信が持てず、何度も断った」
写真:島ネロ後継者・山内 秀一朗さん
実は今回のポテトチップスのコラボ商品「島ネロ」は、初代開発者故・大島東修氏が何年もかけて開発した貴重な商品。
近年の激辛ブームにより、唐辛子は「辛さ」と「収穫量」を追求するために、様々な品種改良が行われている中、島唐辛子は在来のままの味を残した貴重な作物。そんな貴重かつ大量栽培が難しい島唐辛子が種ごと入ったペーストに、シークヮーサーや泡盛などをブレンドし、旨みのある辛さと爽やかな風味を絶妙なバランスで調合したのが「島ネロ」なのです。
開発者の大島氏が亡くなった後も、根強いファンが絶えなかった「島ネロ」。おそらく『これは地域活性に必要な商品だ』という話になったのでしょう。4年前(2016年)のある日、今回取材に応じてくれた山内 秀一朗さん宛に、うるま市職員より『後継者になってくれないか』というオファーがあったのだそうです。
- 山内さん
「最初は5~6回くらい断りました。開発者の大島さんとは生前から関わりがあり、彼の島ネロにかける情熱やエネルギーを尊敬していたので、あの味の再現から始めるとなると、とても荷が重くて。」
- 三好
「なるほど。尊敬しているからこそ断っていたんですね。なぜ受けたんでしょうか?」
- 山内さん
「何回もオファーをいただく内に、町おこしのきっかけになるんじゃないかと思いました。あと、元々僕はハンバーガーの商品開発などをやっていたので、味の再現さえうまくいけば島ネロチョコレートやカレーなど色々な挑戦ができると思ったんです。うまくいけば、世界に流通させることも可能なのではないかと。」
- 三好
「世界にも通用する、大きな可能性を感じたんですね。」
- 山内さん
「そうですね。あとは僕がハンバーガー開発の際に大島さんにはとてもお世話になったので、島ネロを世界に届けて大島さんに恩返しがしたい、という気持ちもありました。」
そして決断後はとにかく、レシピ再現に奮闘する日々が続いたそうです。
- 山内さん
「大島さんのレシピ、めちゃめちゃ字が汚いんですよ(笑)。何とか頑張って解読したり、全然読めない部分は色々試してみたりして、作っては島ネロファンに試食してもらってダメ出しをもらって、の繰り返しでしたね。約8か月かかりました。」
- 三好
(レシピがあるにも関わらず、再現まで8か月とは・・)
コラボ商品「激辛ポテトチップス 島ネロ味」誕生のきっかけ
左:沖縄ファミリーマート商品部・石垣さん/右:島ネロ開発後継者・山内さん
そんな、人々の想いによって受け継がれた、うるま市の貴重な財産ともいえる「島ネロ」。ここからはコラボ商品のきっかけを沖縄ファミリーマート商品部・石垣彰子さんに伺いました。
- 石垣さん
「きっかけは私自身が島ネロを大好きになってしまったことです。」
前回、昨年12月に発売した「ポテトチップス・GORDIES OLD HOUSEダブルチーズバーガー味」の際も“好きが高じて”商品開発に至った石垣さん。前回の商品もかなり忠実に再現された味が大好評でしたが、やはり人間の持つ“好きエネルギー”は大きな威力を発揮するのでしょうか。
- 三好
「どちらで島ネロを知ったんですか?」
- 石垣さん
「昨年(2019年)8月に開催された『沖縄県商工会特産品コンテスト』の審査員をやらせていただく機会があり、その時に出会いました。試食した際に、あまりの美味しさにびっくりして「美味しい!!」を連発していたら、山内さんが『島ネロは女性がターゲットなので、あげます!』って、商品をくれたんです(笑)。」
- 三好
「自宅でも食べることで、改めて商品の魅力にはまってしまったと。」
- 石垣さん
「そうです。元々島唐辛子は大好きなんですけど、これまで島唐辛子の味を楽しむには沖縄そばに入れるコーレーグースーくらいしかなかったんですよね。島ネロはタバスコ感覚でそのまま肉・魚・麺類など何にでも合わせられるし、島唐辛子と泡盛、シークヮーサーが醸し出す独特の風味がなんとも癖になる味わいで、とにかく美味しい!見事にはまってしまいました。」
- 三好
「そこからコラボ商品のアイデアに繋がったんですね。」
- 石垣さん
「はい。島唐辛子100%と沖縄のものをちゃんと使っていて、尚且つ辛さの中に旨みがあって味に奥行きがあるんです。味も商品コンセプトも素晴らしい上に、地域活性の後押しにもなるんじゃないかと、可能性を感じました。」
「とにかく美味しいので、地元の人にも知ってもらいたい」と熱弁
ちなみに石垣さんからオファーをもらった時のことを山内さんに伺うと「とにかくめちゃくちゃ嬉しかった」とのこと。やりますと即答したそうなのですが、そのやりとりがInstagramのDMで行われたということだったので、記念にスクショを提供いただきました。
プレゼントした島ネロが、めちゃくちゃ大きなリターンとなって返ってきたんですね
さて、気になるお味は・・・?
シンプルさの中にイカつさのあるパッケージが特徴です
ここまでの話を整理すると、つまりまず山内さんが大ファンだったことで商品が受け継がれ、尚且つそれに惚れ込んだ石垣さんと出会って商品が実現したということです。
島ネロ、どれだけ人を魅了する商品なんだ・・・。
そしてその味をポテトチップスで再現するのは大変だったのではと想像します。開発時にこだわったこと、気になる味わいを山内さん・石垣さんに伺いました。
- 山内さん
「とにかく辛さにこだわりました。万人に受ける味というよりは、一部のコアなファンから絶賛されるような商品にしたいと思ったんです。島ネロ自体が、そうだったので。」
- 石垣さん
「最初に持って行ったサンプルから、山内さんの辛さへの追求が止まらなくて(笑)。感覚的には当初より4~5倍くらい辛くなってますね。」
- 三好
「そんなにですか。」
- 石垣さん
「最初のサンプルも結構辛かったんですよ。」
- 山内さん
「とにかく忘れられない味にしたかったんです。」
- 石垣さん
「私、初めて牛乳を飲みながら試食しました(笑)。」
- 山内さん
「最後はABC食べ比べても、どれがどの味か分からなくなってましたね(笑)。」
- 石垣さん
「辛さが強すぎて、食べた後に舌の痛みがずっと残るので、お客様からご意見を頂くんじゃないかとかなり悩みました。ですが島ネロの魅力でもある“刺激的な辛さ”を再現したいという想いと、どうせやるならとことん突き抜けた商品にしてみたいという好奇心から、結局辛さはそのままでいくことにしました。弊社の行動指針に“挑戦を楽しもう”という言葉がありますが、この商品は見事にそれを体現した商品になりましたね。笑」
- 三好
「ということは、痛いんですね?」
- 石垣さん
「はい。痛いんです。」
話を伺いさすがの辛党ライターも震えてきましたが、まずは実際に、沖縄ファミリーマート社員さんに試食していただくことにしました!
快く引き受けてくれた沖縄ファミリーマート社員・東さん(左)/下田さん(右)
ではまず、辛い物は割と好きだという下田さん(男性)。お願いします!
いただきま~す。
もぐもぐ
- 下田さん
「うん、うま・・」
!!!
- 下田さん
「あ!からっ!辛い!!!」
- 下田さん
「なんか奥歯の奥が痛い!!!!!!!」
- 一同
(奥歯の奥・・・?)
・・・・・続いて、辛い物は苦手な方だと話す東さん。お願いします!
ぱくっ(辛い物苦手なはずなのに、潔く口に放り込む東さん)
1秒後
!!!!!!!!
- 東さん
「ヒィ!!!!!!」
辛すぎるのか、左右に激しく揺れる東さん
- 東さん
「辛いです!!!!!!!!!」
- 一同
「どなたか東さんに飲み物を!!!!!」
- おふたり
「奥歯の奥が痛くて、火を噴くような辛さでした!」
辛さを表現してくれました
どうやら奥歯の奥が痛いというのは、シークヮーサーの酸味も加わって「酸っぱ辛い」故の、口の中が沁みるような感覚なのだそうです。
せっかくなので辛さを足しに足した犯人、山内さんにも食べていただきました。
開発者ですし、余裕ですよね・・?
- 山内さん
「うん・・」
- 山内さん
「から・・」
(なぜかどんどん後ろに下がっていく山内さん。もはやカメラのピントが合いません)
- 山内さん
「・・・・・・・・・・・・・・!!!!」
- 山内さん
「お茶を・・」
とにかくめちゃくちゃ辛いことだけが伝わってきました。恐怖でいっぱいになりましたが、僭越ながらライター三好も試食させていただきます!
写真を撮る前に端っこを食べてしまいましたごめんなさい
- 三好
「いただきま~す」
もぐもぐ
・・・・・・・♡
- 三好
「え、普通に美味しいです。もう1個食べていいですか?」
なんと、真の激辛好きにとってはとても美味しいポテチでした。(試食なのに10枚くらい食べてしまいました)ちなみにどれくらい辛党かというと、白ご飯に一味をかけて「大人のふりかけ」などと言っている程度の辛党です。
ここだけの話、私、激辛ブームにより増えた“旨みはそっちのけで辛さだけを増やした料理”に一時期怒りのようなものがあったんです。「辛ければ辛党が喜ぶと思いやがって。そんな単純なものじゃない」などと。
けれどこの島ネロ味は、辛さの中に旨みがギュッと詰まってて、尚且つ心地よい酸味もあって、辛いながら上質なんです。暑い夏にビールや缶チューハイと一緒にいただきたいですね。
ちなみに「島ネロ」も、新商品発売日と同日6月23日(火)に沖縄ファミリーマートで販売を開始するそうですが、私はこの日島ネロをいただいて以来、何にでもかけてしまう病にかかっています・・・。
取材・執筆:三好 優実