「沖縄そば」ーーウチナンチュはもちろんのこと、いまや国内外の人たちからも人気を集める、沖縄のソウルフードと言っても過言ではありません。
そんな沖縄そばのおいしさはそのままに、より身近に楽しんでもらいたい!との思いで、沖縄ファミリーマートはカップ麺開発に取り組み続けています。
その中でも、2016年7月に発売した沖縄そばの名店『楚辺(そべ)そば』とのコラボカップ麺の人気は高く、沖縄県だけでなく全国のユーザーから支持され、各店で売り切れが続出するほどでした。
店内の飾り棚に今も鎮座する、2016年に期間限定で発売された楚辺監修のカップ麺
そんな伝説のカップ麺が2月19日(火)3年ぶりに登場します!
創業10周年を迎えた「楚辺そば」と沖縄ファミリーマートとのタッグが再び実現しました。
前作からさらなる改良が加えられ、麺の細さ、スープの味付けにこだわった「カップ麺」。
しかも、今回は「沖縄ファミマ × 楚辺そば」スペシャルコラボ第2弾として、沖縄そばにピッタリのお供「ジューシー」も新発売されることになったんです!
そして、楚辺カップ麺と、ジューシーおむすびをセットで買えば30円お得になるキャンペーンもスタートします!
沖縄そば名店シリーズ カップ麺「楚辺」(左) 沖縄限定 楚辺監修 ジューシーおむすび(右)
そこで、3年前にはじめてのコラボカップ麺作りに挑戦した時の話から、今回の再発売、そして、人参や、かまぼこ、昆布、三枚肉といった具材を贅沢に盛り込んだ「ジューシーおむすび」が誕生するまでの開発秘話や裏話を、楚辺そばのオーナー國吉さんと、沖縄ファミリーマート商品部にうかがいました。
伝統を大切にしながら、新しいスープの味付けに挑戦してきた日々
「こんなにじっくりインタビューされるのは初めてです」 と緊張されていた、楚辺そばのオーナー 國吉真(くによし・まこと)さん
─今年「楚辺そば」は創業10年目を迎えられるんですね、おめでとうございます! 今や訪れる人が絶えない人気店ですが、國吉さんは、はじめから「沖縄そば」を生業として考えられていたのですか。
楚辺そば 國吉
いえ、違うんです。もともとは洋食屋を営んできたのですが、その店舗を退去しなければいけなくなったんです。ただ、従業員もいますし、なんとか継続させたいと考えているときに、おじいが倉庫がわりに使っていた古民家が空いたと聞いて。心機一転、沖縄そば屋をやってみようと決心しました。
ー築68年の古民家を改装されたんですよね。とても素敵です! シャンデリアのある沖縄そば屋はちょっと他にはないと思います。
楚辺そば 國吉
洋食屋で使っていたシャンデリアや、妹が使っていたピアノを譲り受けて使っています。店内で流している曲は、私が幼い頃聞かされていた、お父さんとの思い出のオールディーズです。家族との楽しい時間と思い出を、この楚辺そばから届けたいと思っているんです。
いつか、私たちの楚辺そばが大きくなった暁には、お店の前に提灯を出して毎日お祭りのように(笑) 金魚すくいや水風船とか、家族みんなで遊べる雰囲気で、お客様にとって楚辺そばで過ごす時間が楽しく、思い出になるように。どこにも無い店を作りたいですね。誰よりも先に、新しいことに挑戦するのが私のポリシーですので。
おもちゃ箱をひっくり返したよう!なのに、なぜだか居心地の良い店内
─それは本当に楽しみですね! ただ、洋食と沖縄そばでは、まったく違いますよね。最初は相当ご苦労されたのではないですか。
楚辺そば 國吉
はい。沖縄そばの命とも言える、スープ作りにはとくに苦労しましたね。洋食屋時代から苦楽を共にしてきた楚辺そばの料理長と一緒に、改良に改良を重ねました。
一般的に、沖縄そばのスープで使う出汁を作るためには、鰹節と豚骨を同じ鍋で煮込むのですが、私たちは別々の鍋で煮込むようにしています。そして、創業まもなくに決めた比率を今も変えずに、味を整えていくように作っています。
ーそうなんですか!でも、そんな楚辺そばの味の秘密をバラしてしまって大丈夫ですか?
楚辺そば 國吉
いや、全然いいんです。ほかのお店が真似してもらう分には。私が、誰かの真似をするのは絶対に嫌なんですけど、誰かに真似されるのは構わないんです(笑)
それから、麺に関してもこだわりがあります。沖縄そばなら、絶対、細麺手打ち!県内中を探し回ってたどり着いた糸満市の西崎製麺所で「こんな麺を作りたいんです!」と熱い気持ちを伝えたら、理想の麺に仕上げてくれました。
すっかり緊張もほぐれて笑顔もこぼれる國吉さん
─私も先ほど食べさせて頂いたのですが、スープを最後の一滴まで飲み干してしまいました!しかも飲み干した丼の底には“お楽しみ”もあるんですよね?
楚辺そば 國吉
そうなんです。お店を始めて2年目で、来店してくださる人も少しずつ増えてきたなかで、もっとワクワクするような思い出を楚辺そばでも作ってほしいなと考えまして、通常の丼より大きな“当たり付き丼”を作りました。
お客様が、私たちの自慢のスープをおいしく飲んでくださったあとに、その丼の底に“当たり”が出たら、最後の最後まで楽しいじゃないですか。
実は、今回の再発売ではカップ麺のフタに“当たり”を付けたかったんですよ。実現には至らなかったんですが、お客様においしい沖縄そばを提供するのは当たり前ですから、そこにもうひとつワクワクを感じてもらいたいと思っています。
「信じがたいクオリティ」で売り切れ続出! コンビニで「楚辺そば」が再現されるまで
それでは、沖縄ファミリマート側からみた「楚辺」カップ麺開発にはどんな苦労があったのでしょうか? 商品部の亀谷明子(かめや・あきこ)さんと神田茂光(かみだ・しげみつ)さんを交えながら、お話しを進めていきましょう。
國吉オーナーをはさんで、沖縄ファミマの神田茂光さん(左)と沖縄ファミマの亀谷明子さん(右)
─多くの人から愛されている楚辺の沖縄そばをカップ麺にするのは、期待値が高いですよね。第1回目のコラボのときはどうでしたか?
沖縄ファミマ 亀谷
もともと、カップ麺で沖縄そばにトライすること自体が挑戦でした。メーカーさんと何度も打ち合わせしながら、商品開発を進めていきました。
楚辺そば 國吉
「鰹節をもっと強めで」「豚骨を少し弱めで」と食べては送って、食べては送って(笑) 何度もメーカーとやりとりを重ねて、試行錯誤しながらでしたね。
沖縄ファミマ 亀谷
私たちも、全国の皆さまに楚辺そばの味を、食べてもらうきっかけとして、お店で出される沖縄そばを忠実に再現したい気持ちでした。塩味を上げるとか、細かな調整を繰り返しながら、味を再現していき、完成にこぎつけましたね。
─実際に、楚辺監修のカップ麺の評判はどうでしたか。
楚辺そば 國吉
正直、信じ難かったですね!こんなにもクオリティが高いものへと仕上がるとは。久しぶりに、県外の友人に「(カップ麺が)販売されるから、買ってね」と連絡しました。そうしたら、店頭で棚買いをしてくれて(笑)
今回発売される「楚辺」カップ麺にはさらなる改良が加えられ美味しさがアップしている
沖縄ファミマ 亀谷
県内での売れ行きも好調でしたが、沖縄以外の地域では数量限定で発売してから3週,4週目になると売り切れが続出しました。「どうしても、楚辺のカップ麺が欲しいから2ケースを送って欲しい」と言ってくださるお客様もいらっしゃいました。
私も、こうした反響を間近で見てきたからこそ、もう一度販売したい!と思い続けていました。企画を一人で温め、地道に準備してきて、ついに今回の販売となりました。
温めて美味しいのは当たり前。この、ジューシーおむすびは「冷めても美味しい!」
─沖縄では、そばとジューシーのコンビは定番ですよね。今回カップ麺と共に販売される「ジューシーおむすび」誕生の経緯を教えてください
沖縄ファミマ 亀谷
去年11月に、第1回目の打ち合わせに来たとき、久しぶりに楚辺そばの沖縄そばセット(ジューシー付き)を食べさせてもらって。「やっぱり、おいしい!」と思いました。それで、第2回目の打ち合わせの時に、「ジューシーはどうでしょう!」 とご提案させてもらいました。
楚辺そば 國吉
私も実は、ジューシーも出してほしいな、と勝手に思っていました(笑)
沖縄ファミマ 亀谷
カップ麺は、前回に比べて細麺にしたため、スープの絡み具合からバランスを調整しましたが、既に國吉さんとの息も合っていたのでそこはスムーズでした。でも、ジューシーは難航しましたよね…神田さん!
沖縄ファミマ 神田
今まで関わってきた商品の中でも、久しぶりに「無理かもしれない…」と思うくらい難航しました。沖縄ファミマでは、例えばジューシーおむすび2個入りパックがすでにあるのですが、今回、おむすび1個を三角形にするのに、とにかく苦労しました。ジューシーにはラードが入っているから、形状を保つのが難しいんです。
そんな中で、ある新技術を駆使しまして、今回のおむすび型にまとめる事が出来ました。この辺は企業秘密にさせてください!ただ、とにかく苦労しました(笑)
開発の苦労が実って自信の一品を仕上げた沖縄ファミマの神田さん(左) 「ホッとしてます!」
楚辺そば 國吉
実際にジューシーおむすびを食べて、びっくりしました!。さらに、冷めてもおいしいとは、本当に驚きです。
沖縄ファミマ 神田
そうそう、私たちがいつも食べているジューシーは温かいですよね。冷めても美味しいジューシーにするのが大変でした。冷えてしまうと、ジューシーの塩味が強くなってしまったり…。途中まで、パッケージにシールを貼って「絶対、温めてください」とお知らせしようか、本当に迷ったぐらいで(笑)
苦労はありましたけれど、社内の料理アドバイザーやメーカーと研究開発を重ねた結果、ついにジューシーおむすびが完成して、ホッとしているところです。
─そんなご苦労を乗り越えて完成した「ジューシーおむすび」への手応えはどうですか。
沖縄ファミマ 亀谷
冷めてもおいしい。温めると楚辺そばのジューシーと遜色ない!と國吉さんに太鼓判をもらえるおむすびができて私たちの喜びもひとしおです。
会社の出勤前に、また中食としてもオススメできます。フラチキと一緒に食べてもいいと思います。
最近、沖縄でも単身世帯の方が増えてきて、沖縄の家庭料理として沖縄そばとジューシーをお家で作る機会が減ってきています。だからこそ、手軽に食べられるソウルフードとして新たな沖縄の食の活路になってほしいですね。
沖縄ファミマの亀谷さんは女性視点で、おむすびの「1個入り」に、こだわり実現した
家族の思い出をはぐくむ場所「楚辺」
─「楚辺」のカップ麺とジューシーとのコンビネーションで、沖縄のソフルフードと初めて出会った人たちが、今度は「楚辺」のお店にやって来ることも増えそうですね。
沖縄ファミマ 亀谷
県外の方も、楚辺そばには来たことがないけど、カップ麺を食べておいしかったから、今度はお店に行ってみよう!と思ってもらえたら、私たちとして言うことはありません。
楚辺そば 國吉
そういえば、私たちの店の入り口にある看板を見てもらいましたか。
あれは、代々國吉家に伝わる家紋なんです。私もこの地「楚辺」で生まれ中学生の頃からファミマの「おにコロ」片手に塾へ通っていました。ですので、今回の発売をきっかけに、皆様の頭の片隅に「那覇市=楚辺」という印象が残ってくれたら。これからもここ楚辺で営む「楚辺そば」で挑戦を続けていきます!
あ、それと昨年6月には隣に「タコス&タコライス楚辺」もOPENしました。何しろ新しいことをやり続けたいので、そちらもよろしくお願いします(笑)
沖縄ファミマ 神田
次回はお隣にあるタコス・タコライス専門店をテーマに第3弾が実現できたらいいですね。どうぞ、よろしくお願いいたします(笑)
ご家族のお話や、お客様へのサービス精神溢れる思いを伝えてくださった楚辺そばの國吉さん。
國吉さんも納得の、沖縄そば「楚辺」のカップ麺とジューシーおむすびは、2月19日(火)から発売開始。
私はライターの役得で、みなさんより一足早く試食させてもらいましたが、大好きな楚辺そばの味の再現度にビックリ!
販売期間中は、カップ麺とおむすびを一緒に買って、30円お得なセット割で沖縄ソウルフードの定番コンビネーションを楽しんでください!
商品情報
ファミリーマート限定
沖縄そばの名店 楚辺 216円(税込)
沖縄限定 楚辺監修
ジューシーおむすび 128円(税込)
※楚辺そばとジューシーおむすび
セット30円割引
2019年2月22日(火)~3月18日(月) 4週間限定発売!
※商品画像は開発中のものです
楚辺そば
【住所】沖縄県那覇市楚辺2丁目37-40
【電話】098-853-7224
【営業】午前11:30~午後9:00
【定休】年中無休(但し正月、旧盆除く)
取材・記事:水澤陽介
撮影:本間優希