企業と学生が協力し合って、各大学オリジナル商品の開発と販売を行う「学P沖縄リーグ2018」。通常の商品開発スケジュールでは考えられない、1か月という濃密なスケジュールの中、理想と現実の間で、最良の形に仕上げた商品。それぞれのチームが工夫を凝らした方法で、開発過程などを織り交ぜながら商品の魅力をプレゼンしてもらいました!
台湾からのインターンシップ生も学Pに熱視線!
この日は台湾の文藻外語大学日本語学科の学生で、7月からファミリーマートの店舗でインターンシップをしている学生も見学に来ていました。
「今日の研修に参加させて頂きます。試食もあるようなので楽しみです。台湾に戻ってから発表します」と3人の挨拶。非常に上手な日本語で、笑いも取りながら挨拶していました。
台湾にもファミリーマートの店舗が多いですので、架け橋のような存在になってくれると嬉しいですね。
チームメンバーの英知を集結!今年の商品ラインナップはこちら!
「沖縄元気生活応援団」の名の元、いかにチームの個性が溢れる商品を作り出すことができるか。
ターゲットや購入時間帯、競合商品に対する差別化、人気商品となりうる市場の根拠、商品名は上手く伝わるのか、パシっとハマるキャッチコピーは?手に取ってもらえるパッケージ…考えることは盛りだくさん。
琉球大学
開発商品:おむすび
商品ターゲット:30代~40代(男性)
時間帯:間食や移動時間
こだわりポイント
からあげキムチの辛さ、ビビンバのマイルドさ2種類の味が楽しめます。どちらも肉と野菜が入っていて、ターゲットである働き盛りの男性を食べ応えで癒すことができたらと考案しました。こぼれにくい構造で食べやすく仕上げました。
「美味しく食べて元気になってほしいという、コンセプトの部分は伝えられたのではないかと思います。商品名から連想されるように、正義のヒーローの世界観で演劇の要素を取り入れて工夫しました」(宇根リーダー)
一発目から大掛かりな衣装と芝居仕立てのプレゼンを見せてくれた琉球大学。見せ方もそうですが、商品の特長である「こぼれにくく持ちやすい」という部分を、沖縄の車社会からロードサイド店舗に力を入れると展開させたあたりに舌を巻きました。
沖縄女子短期大学
開発商品:おむすび
商品ターゲット:30代~40代の働く女性。身近な存在である金城先生をイメージ。
時間帯:昼食・夕食、または軽食などに
こだわりポイント
沖縄の郷土料理であるにんじんしりしりとクーブイリチーを具材に使って、栄養面と家庭的な部分から元気を与えられたらと思っています。もち麦を入れているので女性に喜ばれると思います。商品名に方言を使うことで、親しみやすさを意識しました。
「他のチームの演出がすごくて、自分たちも、もっと際立った方法もできたなぁと思いましたが、商品やコンセプトについてはしっかりと伝えることができたかと思います」(兼城リーダー)
近い存在である大学の先生をターゲット像に設定した点で、沖縄全体を元気にするにはまずは身近な人から、という思いが伝わりました。 商品の配置に関して具体的な希望も出すなど、細かいところまで詰めていました。
沖縄大学
開発商品:弁当
商品ターゲット:30代独身男性
時間帯:夕方~夜
こだわりポイント
ワンコイン以下の値段で、限界まで肉量を増やしました。カレー・しょうが焼きというみんなに愛されている2種類の味付けにしました。焼き鳥とビールを合わせて購入する男性客が多いので、鶏の弁当は独身男性の夕飯と酒のつまみになるのではないかと考えました。絶対に美味しいので幅広い方に手に取ってもらいたいです!
「事前に、分かりやすく伝えることを意識して挑みました。スライド内での文字を少なくして、説明っぽくならないような自然で面白い感じで届けられたと思います」(根間リーダー)
去年に引き続き沖縄大学チームは十八番であるガッツリ系をドロップ!プレゼンの冒頭で、ターゲットである男性が商品を手に取るまでのストーリーの動画を流す試みがなされていました。スライドも写真とイラストだけであえて表現され、自分たちから溢れる言葉でしっかり伝えている印象を受けました。
沖縄県立芸術大学
開発商品:パン
商品ターゲット:ファミカフェを利用する人・女性
時間帯:朝方~おやつ時
こだわりポイント
見た目も、秋の味覚であるカボチャの黄色と紅イモの紫で、沖縄の紅型らしい色合いに、パッケージデザインは英字新聞と黒板をモチーフにしたカフェをイメージできるものに仕上げました。最初から人気のファミカフェと共に推して、相乗効果を狙っていこうと考えていました。商品名は特性を表現しながらも、ローマ字読みのギャップを出しています。
「コーヒーに合う片手で食べられるパンがコンセプトです。学Pのために作ったオリジナルキャラクターを出して、独創性のあるプレゼンができました。パッケージデザインの紹介まで出来たので他のチームと差別化を図れたかと思います」(喜納リーダー)
沖縄県立芸術大学は、毎年イラストを駆使したプレゼンを見せてくれますが、今年のチームもその強みは健在。パッケージデザインのスライドが映った時には他大学のチームからも「おぉ…」という声がこぼれていました。商品の方向性を導くことになったアンケート結果の紹介で、需要を理論的に捉えていました。
名桜大学
開発商品:デザート
商品ターゲット:20代後半~40代の働き盛りの男女
時間帯:仕事終わり・車内での移動時間など
こだわりポイント
県産紅芋を使用し、地産地消の面から農家さんを、健康面から働き盛りの男女を応援します。酸味のあるクリームチーズと甘みのある紅イモ餡の割合を、味と食感のバランスを見て何度も試行錯誤しました。アクセントになるココアクッキーの湿気にも気を使いました。試食をし過ぎて、メンバーみんな体重が増えてしまいました。
「振り返ると少し早口だったかなぁと思いましたが、分かりやすく商品のポイントをPRできたかなぁと思います。時間がない、でもスイーツを食べたい!という方がターゲットです」(上村リーダー)
コンビニ業界の商品を引き合いに出して導いた市場状況から、紅芋スイーツと大福スイーツが人気を捉え開発に至ったという内容が説得力を持っていました。商品の製法や素材などを分かりやすく図解で示されていました。最後は開発メーカーのみなさんに感謝の気持ちを伝えて、絆を感じさせられました。
沖縄キリスト教学院大学
開発商品:パン
商品ターゲット:20代~40代(女性)
時間帯:お昼から夕方
こだわりポイント
グラタンとパンの相性は抜群で、意外性から市場に出るとおもしろい商品になるのではないかと考案しました。パンの生地には、さんぴん茶の茶葉を練りこんでいます。当初は水分をお茶にしていましたが、茶葉で風味が高まりました。実は、パンの表面にある十字の切込みは、本学の校章をイメージしています!
「メンバーが開発者側・消費者側の2つに分かれて、掛け合い形式でプレゼンしました。時間の制約があって当日に合わせましたが、オーディエンスを引き込めた自信があります。マイクを使わなかったところも気合いの表れです」(新垣リーダー)
パンの生地にさんぴん茶の茶葉を練りこむという斬新な商品を生み出していました。その解説を、チーム内での掛け合いでQ&Aしたり、オーディエンスに積極的に問いかけるなど、見せ方にも工夫が見られました。最後は開発風景のスライドも用意して、これまでのストーリーを残り香のように置いていきました。
沖縄国際大学
開発商品:デザート
商品ターゲット:20代~30代男女
時間帯:お昼~夕方
こだわりポイント
働き盛りで頑張っている人のために片手で食べられるスイーツを開発しました。タルトとレアチーズの濃厚さにシークヮーサーを混ぜることで、さっぱり食べられるように工夫しました。県産食材と味わい・栄養面から元気になってもらいたいです。
「緊張しましたが、所どころにギャグを入れながらやり切ることが出来ました。次回のSVプレゼンでは他を圧倒したいと思います!去年の先輩が同じスイーツ部門だったので、その数字を超えて行きたいと意気込んでいます」(銘苅リーダー)
お揃いの腕章を巻くなどチームワークの良さを見せつつプレゼン開始!発表しているメンバー以外も外野から合いの手を入れたりするなど、全体で盛り上げていました。甘さとシークヮーサーの疲労回復を期待し仕事への原動力を生みたいという、沖縄元気生活応援団に沿ったプレゼンでした。
気になるあの学校のお味は?試食タイム!
プレゼンを終え、各学校のオリジナル商品の試食タイムへ。ここで初めて他のチームの商品も食べることになります。特に競合となりうる同じジャンルのライバル商品が気になっている様子…。
気になっているチームは?との問いかけに、沖縄県立芸術大学とキリスト教学院大学は互いに同じパンということもあり睨み合い。琉球大学と沖縄女子短期大学も、おにぎりで同じジャンルなので、相手の商品をしっかりと研究。
相手を知ることは自分を知ること。マーケティングに反映させようとメモを取りながら食べるメンバーもいました。
競い合っていることは分かっていながらも、「うわ~これ美味いなぁ~」と相手ながら感心する声もこぼれていました。あっぱれ!
サプライズでモンゴル800のキヨサクさんもっ!
そしてなんと、この日は別件で沖縄ファミリーマート本社に来訪していた、モンゴル800のキヨサクさんが、学Pの会議にサプライズ登場!
「『What a wonderful world!!』というフェスを沖縄ファミリーマートさんと進めています。学生が頑張っている『学P沖縄リーグ』とも、いつか一緒にコラボできたら楽しいんじゃないかと思いました。頑張ってください!」
回を重ねるごとに熱を帯びる「学P沖縄リーグ2018」。商品開発を終え、次回はいよいよみなさんの元に届けるための、マーケティング戦略へ!引き続きおきなわファミマinでフレッシュな現場の様子を届けて参りますので、どうぞお楽しみに!
取材・記事:長濱 広樹