2017.03.01

第一回:クラフトビールを妄想する。|NO HOP, NO HOPE


NO HOP NO HOPE

池城 安司池城安司

こんばんは。
宜野湾でBEEARというクラフトビール専門の
ビアカフェをやっている池城です。
僭越ながらビールのコラムを書かせていただくことになりました。
ビール関係者の皆様、なにぶん勉強中の身でございますので、
温かい目で見守っていただければ幸いです。

ビールファンが一人でも多く増えることを願って、カリー!

セイ、ヨウ!

毎日この時のために朝から起きて労働に勤しんでいるといっても過言でないほど晩酌が好きだ。

第一回目のお供はやはりコレ!オリオンドラフト。
さっぱりとした喉越しと適度なコク、苦味弱め。
高温多湿な沖縄の気候にちょーどいい、これぞオキナワンラガーですね。

僕がビールに出会ったのは16,7年前の大学生時代。
その頃はただの寝酒や出会いのコミュニケーションツールにしかすぎなかったビールだが、
ある経験を境にビールへのイメージがガラリと変わってゆくのです・・・

10年ほど前、いよいよ20代後半に差し掛かかった頃、
「俺の人生はまだまだこんなもんじゃない」と
粋がって出発したイギリス留学時代でのこと。
ペールエール。白ビール。フルーツビール。ハイアルコールビールなどなど。
いままで僕が知っていたビールとは違い、
まるでポールダンサーのように我が物顔で強烈な個性を披露していたBeer , Bière , Bier。

飲めば飲むほど、僕は西洋のビールにハマっていったのさ。Say Yo!

念願のBEEARオープン

BEEAR

それから数年。
とある県内の広告代理店で働きつつも頭をよぎるのはビールのこと。
いつからか、この大好きなビールを仕事にできないかと思うようになっていったのでした。

そしてついに、2016年11月の脱サラ2年目の冬。
那覇で飲食店を経営する弟と協力し、

『祝!ビアカフェ BEEAR(ビーアー)オープン』!

ちなみにネーミングの由来は、BEER(ビール)とBEAR(ベアー)をがっちゃんこさせたダジャレ。
もちろんキャラクターは自ら企画デザインし、店内内外装もほぼ手作り。
オリジナルTシャツは隠れた人気商品で、うれしい誤算です。

イェイ!

オリジナルTシャツ

でも野郎が揃うとちょっと、、、、ですね。

BEEARのウリは、タップ(生ビール)3本と
30種類以上の国内外のクラフトビールがズラリと並ぶバリエーションの豊富さ。
クラフトビールが好きな方はもちろん、クラフトビール初心者の方、
いままでの普通のビールは苦手かなって思ってる方でも楽しめますよ♪

しかし!BEEARの店舗作り、実はまだまだ道半ば。
BEEARには、オリジナルのクラフトビールを造り世界を席巻するというでっかい夢があるのです。

ちょっとうんちく、クラフトビールの定義

ここで、「クラフトビール」とはなんぞやをお伝えしたいと思います。
アメリカのブルワーズ・アソシエーション(BA)によると、クラフトビールの定義は、

1.小規模であること
2.独立していること
3.伝統的な製法を守っていること

とされています。
しかしそれを完全に日本に当てはめることはできないので、一般社団法人日本ビアジャーナリスト協会の代表理事である藤原ヒロユキ氏というお偉い方のお言葉を借りてみると、クラフトビールとは『ビールおたくなブルワー達が造る「伝統的なスタイルを厳守または踏襲したビール、独自の解釈でスタイルを進化させたビール、ユニークな副原料や醸造法を使った独創的なビール」』としています。

要約すれば、「小さな醸造所で造られた、個性豊かなビール」といったところでしょうか。

小さな醸造所の個性豊かなビール

オリジナルビールを造りたい!

クラフトビールの魅力は、味うんぬんよりも何よりも、
いかに個性的でいかにローカライズされているかとうことだと僕は考えます。
グビグビ飲むというより、ワインや日本酒のように味わって飲む飲み方がよく似合う。
造り手の意図も感じながら飲むって感じですかね、はい。

大衆に好かれようといった気がさらさらなく、雑というか潔いというか、良く言えば個性的。
そこがクラフトビールのいいところであり、僕がクラフトビールを好きになった理由なのです。

BEEARのBEERを造るなら、BEEARのキャラクターのように遊び心やギャップを加えたい。

例えば、マンゴーやカーブチーを使ったフルーツビールは、
かなりフルーティーだけどハイアルコール。
口に含んだ瞬間はフルーティーな香りが広がるが
喉に差し掛かると強烈なアルコールに襲われるのです。
そう、異名は「可愛いあの子の100回目の嘘」。

ヴァイツェンのような白ビール系には
奥武島のイカスミを加え「黒ヴァイツェン」に。
白だけど黒。黒だけど白。
そう異名は「終わりのないオセロ」。

最後は、豚の血やハブエキスを入れたエナジービール。
酔えば酔うほど目が冴えるという生理現象の常識を覆すしろものです。
異名は「これが路上寝対策の切り札か」。
すばらしい!警察から表彰される日も遠くはないかもしれない。

妄想ビール

うん、いける!
絶対内地で売れる!
台湾や香港でも売れるはず!
沖縄でクラフトビールやるなら黎明期のいまなのです!!

とまあこんな感じでビールを片手に妄想を巡らせる夜。
もう1本飲みたいところだが、そろそろ酔い頃。
飲み終えた缶から最後の一滴を頂き、にやけながらベッドへ向かうのでした。

NO HOP,  NO HOPE.
ホップがなければ朝は来ない。


ファミマップ

池城 安司

- Yasushi Ikeshiro

Product Produce & Design 4kake 代表
イギリス留学と欧州周遊の旅でビールの多様性に触れビールへのロマンが芽生える。帰国後、まずは沖縄ならではの経験をとのおもいで普天間の紅型工房でお手伝いとして紅型制作に従事。約1年後、りゅうぎん紅型コンクールに出品させていただくも入賞を逃し、それを機に撤退を決意。その後7年間、コピーライター、CMプランナーとして県内広告代理店に勤務。2015年「仕事は自分でつくるもの」を座右の銘に掲げ個人事務所 Product Produce & Design 4kakeを立ち上げ。これまでに浦添のイカライスベンダーをはじめ、ヒージャージルーのLINEスタンプ、沖縄の赤瓦屋根をデザインした「島ぼうし」、沖縄の主要な街をデザインしたTシャツブランド「MAPs OKINAWA」などをプロデュース。只今ビールを猛勉強中。