2016年、県内7大学のそれぞれ個性的なチームにより今年もさっそく盛り上がりを見せている学P。
学Pとは、県内の大学生にインターンシップを通して、マーケティングを体験してもらうプロジェクトです。なんと今年はこの学Pがはじまって10回目となる記念すべき年、特設サイトもOPENし今年は特別に学Pにゆかりのある人々のインタビューも紹介していく予定です。その第1弾が今回の、「学P先輩インタビュー」。
今回お話を伺ったのは、バスケットボールチーム「琉球ゴールデンキングス」の営業マン・大嶺心さん。大嶺さんは、2012年に名桜大学の代表として学Pに参加されました(2012年の学Pサイトはこちら)。
学Pに参加したきっかけから、商品開発や販促の裏話、そして今まさに学Pに取り組む現役生へのメッセージをぜひご覧ください!
小1からバスケ一筋。「大学では何か違うことに挑戦したい」と、バスケ部と学Pを両立
ーまず、大嶺さんが 学Pに参加されたきっかけを教えてください。
大学1年生のときに、学Pに取り組む先輩たちの姿を見たことが最初のきっかけでした。小1から中、高とバスケを続けてきて、大学でもバスケ部に入ったんですけど、大学に入る時「バスケだけじゃなく、何か違うことにも挑戦してみたい」と思っていたんです。先輩たちの姿を見て、自分も先輩たちのように学Pをやってみたくなったんですよね。
ただ次の年、名桜大学は学Pに参加しなかったんですよ。大学からファミマ本社のある那覇は距離が遠くて、本社でのミーティングに定期参加するのが難しくなるので、参加者が集まらなかったんです。
それでも自分は学Pをやってみたかったので、3年次に「学Pをやってみたい」とゼミの先生に相談をしました。そして、2つのゼミから有志で8人のメンバーが集まったんです。
(http://2012.gakup.jp/team/meidai/より引用)
ーバスケ部と学Pの両立は大変じゃなかったですか?
バスケ部ではキャプテン、学Pでもリーダーをやらせてもらっていたので、自分ができるだけ参加できるよう上手~く時間をズラしたりしていましたね(笑)。
ーリーダーの裁量権ですね(笑)。
どちらも中途半端にしたくなかったんですよね。ただバスケ部のキャプテンは代理がいない分抜けづらく、学Pの進行は他のメンバーに協力してもらい、任せることも結構ありました。その代わり、企業の方とは自分が代表してメールのやり取りをしていました。
男性も女性も手に取れる「可愛くてボリューミーな商品」を開発。その結果は……?
ー学Pの商品は「お弁当部門」「デザート部門」「おむすび部門」などがありますよね。大嶺さんのチームは、どの部門でどんな商品を開発されたんですか?
自分たちはおむすび部門を選んで、名”桜”大学にちなんだ「桜のおむすびセット」という商品を作りました。実際に桜の花をくっつけたピンクのおにぎりと、桜えびのおにぎり、あとは少しおかずも入れたお弁当風のセットです。
ーおにぎり単体ではなくて、セットにしたんですね。
今までのおにぎり部門ではおにぎり単体の商品しかなかったので「自分たちはちょっと新しいことしようぜ!」となったんです。結局、それで失敗したパターンなんですが(笑)
ー失敗だったんですか?(笑)
ファミマの客層なども勉強して、「お客さんは7割男性だから、自分たちはその中でもがっつり食べる体力を使う仕事をもつ男性をターゲットにしよう」と決めたんですよ。イメージは、そういった方々が朝方ファミマに来てカップラーメンと一緒に買っていくもの。たぶんおにぎり1個じゃ物足りないんじゃないかと思って、ボリュームを増やしました。
一方で、女性も手に取りやすいよう可愛らしいピンクにしたんです。でも、それが逆に中途半端だったんでしょうね。男性はピンク取りにくいでしょうし(笑)。
その年は「ワイルどん(沖縄キリスト教学院大学チーム作)」という商品が大盛況でした。ターゲットを男性に絞ったボリュームたっぷりの肉弁当だったのですが、がっつり食べたい女性にも人気だったみたいです。変に「可愛らしさ」とかいらなかったんですね(笑)。
ー「ターゲットを絞る大切さ」を学ばれたんですね。
まさにそうですね。自分たちで理論づけて商品づくりができて、他大学の商品からも学べることがあったのはとても面白かったです。
スタートダッシュは成功しつつも店舗販売では苦戦
ー学Pでは、売れる商品開発ももちろんですが、販促活動も大切ですよね。大嶺さんのチームはどのように販促を行なったのですか?
名護と具志川、2つの店舗で直販活動をしました。あとは、1日だけ名桜大学の学食でも売らせてもらっています。
ー販促は上手くいきました?
学食では100食ほど販売して、ちゃんと完売しましたよ。教授やバスケのチームメンバーに「この日に学Pの商品売るので買ってください」としっかり営業活動をしていたので(笑)。あとは「自分たちの大学を応援しよう!」と買ってくれる学生も多かったです。商品の発売開始からすぐの学食販売だったので「他の大学に差をつけられる!」と思いました。でも、勢いがあったのはスタートダッシュだけで……。
ー店舗販売は上手くいかなかったのですか……?
まず、取り扱って頂く店舗にある程度の数を入荷してもらう難しさがありました。学Pだからとか関係なく「この商品は売れるかどうか」をしっかり見てきます。そこではこちらのセールストークも試されましたね。
あと、他大学の直販については特に気にしていなくて「みんな大学の近くでやっているだろうから、別に有利不利はないかな」くらいに思っていたんです。
今思えば、売る場所によって売れ行きはかなり変わりますよね。この前、那覇の58号線沿いのファミマで学Pの直販をしている学生を見かけたんです。その辺りは会社が多いし、OLの方はやっぱりスイーツとか買っていくじゃないですか。「うわ、これは直販負けるわ」って今更ながら思いました(笑)。
ー最終結果はどうでしたか?
僕たちは「ベストオーディエンス賞」をいただきました。web投票では人気が高かったんです。比較的、年配の方にも評価を頂いたようです。でも全体の順位的には最下位、だったかなあ。
ーちょっと悔しい結果ですね。
あの時できる一番いい形にはなったと思うんですけど、終わってから「あぁーこうしておけば良かった」と思うことはいろいろありました。友達に「なんで桜えび入れたの? 俺えび食べれんし、えびアレルギーの人いるの分かるやろー!」とツッコまれて「あ、そうか、ごめん」って(笑)。
結果を出せなかった悔しさもありますし、単純に「こんな風に商品作ってヒット出しているファミマさんスゲーな」と思いました。
企業の方とのメールで学んだ「ビジネスのコミュニケーションスキル」
ー学Pの経験が今のお仕事にどう生きているのかお聞きしたいですのですが、まず大嶺さんの具体的なお仕事内容を教えてください。
琉球ゴールデンキングスの営業です。企業へのスポンサー依頼や、一般の方へのチケットを販売などをしています。
ーやっぱりバスケには関わっていきたかったのですか?
もともと大学卒業後は、プロを目指していました。ビジネスオペレーション側の動きも知りたかったので琉球ゴールデンキングスでインターンをさせてもらいながら、6月から8月までにトライアウトを各地で受けました。でもやっぱりプロの門は狭くて、その年は受からなかったんです。
そこから半年ほど地元の東村に戻って、臨時の公務員をしながら今後のことを考えました。そして、やっぱりバスケに関わりたいと思ったので、昨年3月に「やっぱりここで働きたいです」と琉球ゴールデンキングスに連絡したんです。
今はもうプロを目指さず趣味でバスケを続けています。仕事では選手を支えて、選手が全力でプレーする姿を子どもたちにしっかり届けたいと思っています。
ー学Pでの経験で、今の仕事に役立っていることはありますか?
挙げ始めるといくつもあるんですけど、中でも「ビジネスのコミュニケーションスキル」を少しでも身につけられたのは大きかったです。普段関わらない企業の方たちとのやり取りから学ぶことは多かったですね。
ー例えばどんなやり取りがあったのですか?
納品の期日に関して「○○日までにお願いします」っていう催促の連絡をいただくことがあって、それが普通だと思っていたんですよ。でも、本当はこちらから「○○日までに納品します」って送るべきじゃないですか。自分が実際に働くようになって「あ、すごく手間をかけさせてしまったんだな」と今更申し訳なさを感じています。
逆に、先方から小まめに連絡をもらえると正直助かっていたのもあります。だから、その辺りは自分も仕事で実践するようにはしていますね。
ーそれでは最後に、学Pに取り組む後輩たちに先輩からなにかアドバイスをお願いします!
他大学、企業の方など、普段関わらない人たち交流できるのが学Pのいいところです。だから、とにかくいろんな人に関わってほしい。他大学の人とももっと交流しておけば良かったなって自分も今思っているんですよ。
学Pで繋がった企業の方といま仕事をご一緒することもありますが、あの時仲良くなった人たちと今でも話せるのはやっぱり嬉しいです。学Pでの出会いがこれからに繋がることもあるので、ぜひ外部の人たちとコミュニケーションを積極的にとってみてください。
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ライター:真崎睦美
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