注目 2025.03.17

沖縄ファミマ×「沖縄家系の日」!沖縄家系ラーメンの情熱と未来を語る




横浜市発祥といわれる「家系ラーメン」。沖縄でもその人気は高まる一方です。

その火付け役となったのが、「沖縄武蔵家」創業者・藤崎育弘さんです。
そして、2020年3月30日に志半ばでこの世を去った藤崎さんへの追悼の意を込めて設立された「3月30日 沖縄家系の日」。

今回は、その発起人であるトルネコパーパ・野崎さんと、Ramen武蔵家・岸本さんが、沖縄ラーメン界の未来を語ります。

さらに、2025年3月18日(火)から期間限定で登場する「Ramen武蔵家×トルネコパーパ監修 沖縄家系ラーメン」もご紹介!!
気になる詳細は、ぜひ本編でチェックしてください!


写真左から:トルネコパーパ 野崎さん、Ramen武蔵家 岸本さん、沖縄ファミリーマート商品本部 宮里さん

沖縄家系ラーメンのルーツ

今回、インタビューのために訪れたのは、Ramen武蔵家 大平インター店。

「濃厚豚骨醤油」の文字の通り、店先まで漂う豚骨の香りに食欲をそそられながら入店。
店内はカウンターをはじめ、2人用・4~6人用のテーブル席も用意されています。



赤色を基調としたテーブル席に座ったら、早速インタビュースタートです!



…と、その前に!「沖縄家系の日」について、ちょっとだけ解説です。

「沖縄家系の日」とは?

毎年3月30日は「沖縄家系の日」。沖縄県内を中心に、45店舗以上のラーメン店が参加し、家系ラーメンの限定メニューを販売する特別な企画です。
この日は、「沖縄武蔵家」を創業した藤崎育弘さんの命日にあたります。藤崎さんは、家系ラーメンを沖縄に広めるため、新規開業を目指すライバル店にも惜しみなくノウハウを提供し、人脈を築いてきました。その姿勢は沖縄のラーメン業界の広がりと底上げに大きく貢献しましたが、2020年3月30日、志半ばでこの世を去りました。
藤崎さんの遺志を受け継ぎ、命日である3月30日には、恩人への敬意を込めて「沖縄家系の日」が開催されています。家系ラーメンの普及と、沖縄のラーメン文化をさらに盛り上げることを目指しています。2024年からは沖縄ファミリーマートも参加し、企画の輪がさらに広がっています。

「沖縄家系の日」の背景を知ることで、本編がもっと味わい深くなるはず!
それではインタビュー本編をお楽しみください!

沖縄家系ラーメンの始まりとは?

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん
沖縄県内でも人気を誇る家系ラーメンですが、その火付け役となった藤崎さんが当時どのように尽力していたのか、取り組みや経緯などを教えていただけますか?

Ramen武蔵家 岸本さん

藤崎さんが開いた「沖縄武蔵家」は、2002年に那覇市久茂地で1号店がオープンしました。当時は「短い麺」と「しょっぱいスープ」に抵抗を持つ人も多かったようです。

トルネコパーパ 野崎さん

そうそう。当時の沖縄の人たちは豚骨の香りにも馴染みがなかったようで、「家系ラーメンはヒージャー(山羊)よりも匂いが強い」と言われていたそうですよ(笑)

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん
なるほど!沖縄ファミリーマートも商品開発を進めるうえで食文化について調べる機会が多いのですが、沖縄はカツオなどの出汁を味わう料理の支持が高いですよね。沖縄そばがいい例だと思います。それに対して家系ラーメンは塩味の効いたしょっぱさが特徴ですもんね。

Ramen武蔵家 岸本さん

そういった食文化的な背景もあって、家系ラーメンの特徴である塩味についての指摘も多かったみたいですね。しかし色々と指摘されつつも、そこからコアなファンがどんどん増えて、徐々に受け入れられるようになった…と聞いています。

トルネコパーパ 野崎さん

実は「沖縄武蔵家」とほぼ同時期に沖縄に開店したラーメン屋さんがありました。そこはいわゆる「博多の豚骨ラーメン」を提供するお店だったんですね。沖縄の人自体も豚骨ラーメン=博多というイメージを持つ人が多かった。でも武蔵家の豚骨醤油ラーメンは、麺が特徴的で味もしょっぱい。ほうれん草や海苔が乗っていて、沖縄の人が想像する豚骨ラーメン像からかけ離れた存在だったようです。藤崎さん本人も、開店当時は材料が入手しにくかったり、家系ラーメンの特徴を浸透させるまでに相当な時間を要したと話していました。


沖縄家系ラーメンの先駆者・藤崎さんについて

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん
家系ラーメンを浸透させた藤崎さんですが、お二人から見た藤崎さんの人柄やエピソードについて教えていただけますか?

トルネコパーパ 野崎さん

先ほどもお話しましたが、家系ラーメンが沖縄で浸透するまでに相当な時間がかかりました。でも、「沖縄武蔵家」1号店の開店当時のお客様が、10年以上経って「あのとき食べたラーメンを食べに来ました」と懐かしんで来店してくれたり。家系ラーメンのパイオニアとして浸透させたのも藤崎さんだし、沖縄ラーメン協会を設立したのも彼です。彼から派生しているお店も多いですね。

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん

「家系の美味しいラーメンを届けたい」という想いを持って、大変な時期を乗り越えていったということですよね。
よければ野崎さんと藤崎さんが出会ったきっかけについても教えていただけますか?

トルネコパーパ 野崎さん

もともと彼の存在は知っていたのですが、僕は東京にいたので「沖縄のラーメン」については詳しくなかったんです。でも(東日本大震災後に)僕も藤崎さんも福島の復興支援ボランティアとして参加していて、それが彼との初対面でした。その時に彼から「沖縄のラーメンをぜひ一度見に来てください」とお誘いがあって、そこから付き合いが始まりました。

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん

藤崎さんについて、印象に残っているエピソードなどはありますか?

トルネコパーパ 野崎さん

常識が覆ったというか、価値観の違いに驚きましたね(笑)
藤崎さんってサンダル+短パンで厨房に立つのですが、東京のラーメン店じゃ考えられない格好ですよね。他にも暑いからという理由でお店を早めに閉めたり…このユルさや、それを受け入れる寛容さが沖縄の面白いところだなと(笑)
ただ、藤崎さん然り沖縄のラーメン店を見ていて色々と感じた瞬間があって。例えば、都会のラーメン店は生産性と回転率を重視することが多いんですよ。でも沖縄のラーメン店では一杯一杯時間をかけてお客様の手元まで商品を届ける。「ああ、そもそも飲食店ってこの在り方が本来の姿だったんだよね」と根本的なことを思い出させてくれました。彼が照れずによく口にしていた「ラーメンは愛」という言葉の通りだなと。


沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん

福島で藤崎さんと出会って、関わっていく中で様々な気付きを得たんですね。
岸本さんはいかがですか?家系ラーメンの道に飛び込んだきっかけなど、エピソードがあれば教えてください。

Ramen武蔵家 岸本さん

僕は沖縄出身で、上京していました。でも父親が亡くなったことをきっかけに沖縄に帰ることになりました。沖縄に帰るなら、新たに仕事を探さなきゃいけない…という時に、「(藤崎さんが)沖縄でラーメン店をやってくれる人を探している」という情報が入ってきました。

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん

岸本さんはラーメンに関わるお仕事自体は経験があったんですか?

Ramen武蔵家 岸本さん

いえ、僕はラーメンを作った経験はまったくなかったですね。「こうやって作るんだよ」とノウハウを一から教えてもらって、修行を経て現在に至ります。
そういえば藤崎さん、「カップラーメン作れる?カップラーメンが作れるならラーメンも作れるよ」が口癖でした。先ほど野崎さんも話していたとおり、本当にそういう不思議な人なんですよ(笑)


すれ違いを越えて─「沖縄家系の日」に込めた想い

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん

続いては、藤崎さんの命日でもある3月30日を「沖縄家系の日」に制定した経緯について詳しく教えていただけますか?

トルネコパーパ 野崎さん

僕にとっては「親友」、岸本さんにとっては「師匠」である藤崎さんの訃報は本当に信じられない出来事でした。本当に悲しくて、喪失感から「もうラーメンを辞めてしまおうかな」という考えも過りました。ただ、「このままじゃダメだ」という気持ちも強かった。家系ラーメンを牽引してきた藤崎さんのマインドを繋いでいくためにも、彼の命日である3月30日は「みんなで家系ラーメンを作る日」にしたかったんです。

Ramen武蔵家 岸本さん

(対して)僕は、藤崎さんのご家族や奥さんをそっとしてあげたい気持ちがありました。1周忌の時に自店舗だけで「家系の日」を開催して、それを野崎さんにお話ししたら「来年は絶対に参加するからやろう」ということになったんです。だけど、秋口あたりに開催する・しない、「家系の日」を広めるかどうかで意見の食い違いが起きました。結局、自店舗での2度目の開催は見送りました。

トルネコパーパ 野崎さん

僕には藤崎マインドを広く伝えていきたいという想いがありました。彼に所縁のある方に「僕が家系の日を先導していいのか」と聞くと、「是非やってください」と賛成を得ることができました。メディア取材の時は名前を出さない等の制約をクリアしながら、沖縄ラーメン界が一つになる良い機会になったのではないかと感じています。


沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん

2024年の「沖縄家系の日」には武蔵家さんも参加していますが、当時の心境にどのような変化があったのか教えてください。

Ramen武蔵家 岸本さん

2023年、「家系の日」に参加するラーメン店店主さん達から、家系ラーメンの作り方などの問い合わせがありました。レギュラーメニューとして豚骨スープを作成していないお店さんや、材料の違う部位で豚骨スープを作成しているお店さんには、Ramen武蔵家のスープとコラボする機会もありました。そういった経緯もあり、「自分たちも家系の日に参加しないと、沖縄ラーメン界が目指す先もバラバラになってしまうんじゃないか」と考えるようになりました。

トルネコパーパ 野崎さん

僕も僕で、とある方面から「岸本さんと仲良くしてください」という打診を貰ってて。確かに食い違ったままの状況も良くないと思い、「次は一緒にやらない?」とLINEで伝えて、じゃあ一緒にということになりました。

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん

それぞれ異なる思いはありつつも、沖縄のラーメン業界がバラバラになる可能性を危惧して和解に至ったんですね。

共闘!コラボ商品開発の裏側!

2024年は、「沖縄家系の日」を立ち上げたトルネコパーパを運営する野崎さん監修のラーメンを発売。

そして2025年には、さらに一歩踏み込んだ新たな挑戦が始まります。
トルネコパーパの野崎さんに加え、Ramen武蔵家の岸本さんも開発に参加し、二人の想いが詰まった沖縄家系ラーメンが誕生。それぞれの視点から生まれる新しい味わいに、期待が高まります!

商品のこだわりポイントは?

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん

実際に今回のコラボ商品の開発の着想は確か年末でした。
コラボ商品開発を通しての感想などいただけますか?


Ramen武蔵家 岸本さん

ありがたいと思います。藤崎さんが亡くなって、僕らは武蔵家を全県民に届けることを目標にしてきたので。沖縄ファミリーマートさんを通して武蔵家の味を届けることができるのは素晴らしいことだと感じています。
それから、今回一緒に開発したトルネコパーパ 野崎さん自身もどんどんお店をオープンしていてすごい方なので、会話するきっかけになればいいなと思っています。

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん

「家系の日限定のラーメンを開発しよう」というところからスタートしましたが、実際に沖縄ファミリーマートと共同開発してみて、イメージと違うなと感じた点などはありましたか?

Ramen武蔵家 岸本さん

武蔵家の豚骨スープは飲んだ後に甘みが出てくる特徴があります。僕たちとしても沖縄ファミリーマートさんとしても、それをどこまで表現できるか、すり合わせが大変だったかと思います。「豚骨や鶏を使って表現してみたらどうか」など話し合いましたよね。

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん

…ちなみに最初は家系ラーメンということで、塩角の立った試作品を召し上がっていただきましたが…(笑)

トルネコパーパ 野崎さん

最初の試作品は塩気が強すぎて食べれませんでしたね(笑)
あれを完食したら血圧上がりまくって大変なことになりますよ!

Ramen武蔵家 岸本さん

でも最初の試作品の時点で野崎さんが麺の太さとか細かい部分を決めてくれたので、こちらも合わせやすかったですね。その麺に対してスープはどんな方向性に持って行けばいいのか、提案しやすかったです。

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん

そうですね。我々もアドバイスをいただきながら麺の切り方や厚さ・長さを調整させてもらったので。スープも合わせながら数回ほど試作して理想の家系ラーメンになりましたね。


Ramen武蔵家 岸本さん

家系ラーメンといえば、半ライスも特徴ですかね。
家系ラーメンに欠かせない存在なので、半ライスも一緒に販売できないか相談させてもらいました。

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん

もともと、沖縄ファミリーマートには「塩おむすび」という商品も取り扱っているため、ラーメンと塩おむすびや白米の食べ合わせを試行錯誤しました。最終的には「やっぱり家系ラーメンには塩気のない白米がいいよね」という結論に落ち着きました。ぜひ家系ラーメンと一緒にご購入いただけたらと思います。
ちなみに、半ライスの楽しみ方なども教えていただけますか?

Ramen武蔵家 岸本さん

ラーメンを食べながら半ライスをかじったり、残ったスープに入れたり…と、色んな楽しみ方ができます。家に調味料があるなら、豆板醤などで味変を楽しむのもおすすめですね!

お客様へのメッセージ

Ramen武蔵家 岸本さん

今回のコラボ商品は、沖縄本島だけでなく離島地域にも届くということで、家系ラーメンを広く発信できることをありがたく思います。最高の出来だと思うので、ぜひ「家系の日」に食べてみてください!

トルネコパーパ 野崎さん

沖縄ファミリーマートさんからコラボ商品のお話をいただいた時に、この機会に武蔵家さんとまた商品が作れるという点に魅力を感じました。加えて、藤崎さんがあってこその「家系の日」だし、「家系の日」があってこそのコラボ商品だと感じています。家系ラーメンを食べたことがない・知らない人の手にも届くことで、ラーメンファンが一人でも増えてくれたらとても嬉しいです!

沖縄ファミリーマート 商品本部 宮里さん

岸本さん、野崎さんにはロイヤリティ無しでご協力いただいており、「沖縄家系の日」を盛り上げることを目標に、三者一丸となって開発に取り組みました。沖縄ファミリーマートとしては、先人が築いてきたラーメン文化と、「沖縄家系の日」をきっかけに、沖縄のラーメンの歴史が伝わり、また、ラーメンファンが増えていけばいいなと思います。まだ家系ラーメンを食べたことがない方がいたら、ぜひ一度お試しいただいて、お店(Ramen 武蔵家さんやトルネコパーパさん)にも足を運んでいただきたいなと思います!

Ramen武蔵家×トルネコパーパ監修 共闘!沖縄家系ラーメン



【沖縄限定】人気ラーメン店、Ramen武蔵家×トルネコパーパのこだわりが詰まった渾身の一杯が登場!豚骨スープは、旨みがぎゅっと凝縮され、奥深いコクが口いっぱいに広がります。そこに醤油のキレと風味を効かせ、しっかりとした味わいをプラス。スープに絡むのは、硬さや粘りが特徴の中太麺。トッピングにはチャーシューや玉子、小松菜などの具材を盛り付けました。濃厚ながらも最後まで飽きのこない味わいに仕上げています。
そして同時発売の半ライスもおすすめ!シンプルながらもお米の美味しさを最大限に引き出した、ラーメンのお供に最適な一品です。

コラボ商品情報
商品名:Ramen武蔵家
×トルネコパーパ監修  共闘!沖縄家系ラーメン
販売価格:660円(税込)
※一部店舗ではお取り扱いがない場合がございます。
詳しくはこちら

商品名:Ramen武蔵家×トルネコパーパ監修  半ライス
販売価格:108円(税込)
※一部店舗ではお取り扱いがない場合がございます。
詳しくはこちら

まとめ

藤崎さんの想いを継承しながら、沖縄ラーメン界の新たな可能性を探る野崎さんと岸本さん。
お二人の対話から、沖縄ラーメンの未来がさらに楽しみになりますね!

『共闘!沖縄家系ラーメン』は、お近くのファミリーマートで販売中。期間限定ですので、お早めにどうぞ!
家系ラーメンが好きな方も、まだ挑戦したことがない方も、この機会に召し上がってみてください!

ーー 取材後のちょっと小話 ーー

取材後、Ramen武蔵家のラーメンを楽しむトルネコパーパ 野崎さん。



「あの時と変わらない味だ」と野崎さん。
う~ん、おいしそう!濃厚な豚骨の香りが食欲をそそります。
家系ラーメン、ますます気になっちゃいますね!

お二人のお店の情報はこちら!営業時間はWebサイト、またはSNSでご確認ください!

Ramen武蔵家 大平インター店
店舗住所:沖縄県浦添市仲間1丁目5−3 [ Googleマップ ]
公式Webサイト:https://okinawa-ramen.com/ohira-interchange

トルネコパーパ
店舗住所:沖縄県那覇市泉崎1丁目11−1 [ Googleマップ ]
Instagram:@torunekopapa5