2023.04.24

沖縄のゴールデンウィークは那覇ハーリー!爬龍船が海を駆ける伝統行事、その歴史や見どころをお伝えします


沖縄のゴールデンウィークといえば、やっぱり那覇ハーリー!!

琉球王国時代からの歴史を誇る伝統行事であり、観光シーズンの旅行客もたくさん訪れる那覇の一大イベント。大きな龍の船が海上を駆ける、大・迫・力!の競漕です。

今回は、そんな那覇ハーリーの起源や歴史、そして見どころをご紹介。
今年の那覇ハーリーを目いっぱい楽しめるよう、ぜひご覧ください!

 

そもそもハーリーとは?始まりはいつ?

ハーリーは、航海の安全や豊漁などを祈願して行われる伝統行事。伝統漁船「サバニ」や、竜をモチーフとした「爬龍船(はりゅうせん)」に乗り、海上で競漕します。

旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に沖縄各地で行われるのが伝統ですが、那覇ハーリーは一足早くゴールデンウィークに実施されています。

各地で行われるハーリーこちらは旧暦5月4日に行われる糸満ハーレー。このように各地でハーリーが行われる(©OCVB)

 

ハーリーの起源は中国

ハーリーのはじまりは紀元前340~350年も前のこと。
当時、中国(楚)には「屈原(くつげん)」という徳の高い賢臣がいました。
屈原は高潔な人物でしたが、彼を快く思わない人たちの策略により都を追放されてしまいます。深く悲しんだ屈原は、川に身を投じました。

屈原の死を悲しんだ人たちは、彼の霊を慰めるために「竜舟」を浮かべて弔いました。これがハーリーの起源といわれています。

 

琉球王国への伝来

中国からハーリーがやってきたのは、今から約600年前の琉球王国時代。爬龍船の伝来については、以下3つの定説が存在しています。

  • 南山王・汪応祖(ワン オウソ)が、中国の南京留学時代に見た龍船を建造させ、豊見城城下の漫湖で龍船を浮かべて遊覧した。
  • 中国から沖縄に定住した久米三十六姓が太平を祝するために爬龍船を作った。
  • 那覇・西村の長濱太夫という人物が、中国の南京で竜泉の作り方を習得。5月はじめに那覇の港で競漕をした。

 

那覇ハーリーのあゆみ

かつては7つの町村が爬龍船を保有していたそうですが、いつの時代からか「那覇」「久米村」「泊」、那覇3村による競漕が行われるようになったと言われています。

那覇ハーリーは琉球王国の一大年中行事として重んじられましたが、1879年の琉球処分(琉球藩を廃止、沖縄県となる)の際に中断となりました。

ただその後も、祝賀行事やセレモニーとしてハーリー・地バーリー(陸地で行う伝統芸能)が不定期で行われたそうです。

そして1975年、泊港にて第1回「那覇ハーリーまつり」がスタート!!古式ハーリー復活の時を迎えました。

また、1977年の第3回那覇ハーリーには開催日時がゴールデンウィークに。会場も泊港から那覇新港に移ったそうです。

1979年に撮影された那覇ハーリー1979年に撮影された那覇ハーリー。観客の数がすごい!(那覇ハーリー会館展示)

 

那覇ハーリー本番の流れ

ゴールデンウィークに3日間かけて行われる那覇ハーリー。

中学校の部や、PTA・地域団体の部、さらに職場や仲間同士などのチームによる一般の部など、連日さまざまなハーリー競漕が実施されます。

メインイベントは、最終日に行われる「御願バーリー」「本バーリー」。

「御願バーリー」では、古式ハーリーの衣装でハーリーウタ(歌)を歌いながら、ゆっくりと海を回遊。この儀式により、海上の安全と護国豊穣を祈願します。

那覇ハーリーの伝統衣装3地区の伝統衣装(那覇ハーリー会館展示)

そして最後の「本バーリー」は、那覇、久米、泊の3地区による真剣勝負!!!!

鐘の音が響くなかで、32名の漕ぎ手たちが息を合わせて船を漕ぐ。その迫力に観客も魅了され、会場は大歓声と熱気に包まれます!!

那覇ハーリー漕ぎ手たちの後ろ姿からも伝わる迫力!!(©OCVB)

 

那覇ハーリー2024開催情報

那覇ハーリー(©OCVB)

<第50回 那覇ハーリー>

日時:2024年5月3日(金)~5日(日)
場所:那覇港新港ふ頭(Google mapで見る)
料金:観戦無料 / 体験乗船100円

今年、第50回の節目を迎える那覇ハーリー!

ハーリーに参加される皆さん、きっとものすご~~~く気合いが入っているはず。これは例年を超える超・大迫力が期待できそうですね……!

また、各種ハーリーの観戦はもちろん、ハーリー体験乗船(!)や音楽ライブなどのステージ、キッチンカーをメインとした飲食ブースや遊戯ブース、締めくくりの打ち上げ花火など、お楽しみ企画も盛りだくさん♪

ゴールデンウィークの風物詩・那覇ハーリー。海上にうずまく熱気を体感しに、ぜひ那覇新港へ足を運んでみてくださいね♪

那覇ハーリー会館

取材協力:那覇ハーリー会館
那覇ハーリーの歴史や過去の写真などを展示。
さらに、記事で紹介した衣装の着用体験・爬龍船への乗船体験なども実施されています。

住所:沖縄県那覇市泊3-1-8